文武両道への道は、意外と身近なところにあった!

勉強が得意な子、スポーツが得意な子、どちらも得意な子、どちらも不得意な子、、、世の中にはいろんな子どもがいると思います。もちろん子どもにはまず健康でいられることが一番ですが、どうせなら得意なことがたくさんあったほうがいいと思いませんか?

今回は、小学校の授業の中で、週に3回、30分ずつ運動をさせたら、させていない子たちよりも成績が高かった!という論文をご紹介します♪

*専門的な内容になりますので、とりあえず結果が知りたい!という方は「まとめ」まで読み飛ばしてくださっても大丈夫です。

小学校環境での流動性推理と学業成績に対する身体活動の統合の影響の調査:予備的な調査

はじめに

30年以上前に、Gabbard と Bartonは身体活動と学校成績の間に正の相関関係があることを発見しました。この課題に関するSibleyとEtnierの最近の再検討論文でも、運動が若者の認知の改善に大きく関連していることを発見しました。

また、運動の結果として増加した血流が、特定の認知機能を促進することにより小脳を強化するという研究もありますさらに、太りすぎの子どもが、IQテストの成績の低下に関連しているという報告もあります。

目的

小学校で、運動と科目の授業を組み合わせることが生徒の流動性推理と学業成績に与える影響を調べること。

方法

参加者

155人(実験群80人、平均年齢9.42)、(統制群75人、平均年齢9.50)
六つの教室からの3年生の生徒でした。

手順

実験群では、言語技術、数学、社会のいずれかの授業内でランニング、ホッピング、ウォーキングが1日30分、週3日取り入れられました。調査期間は約3ヶ月でした。
*統制群は、実験の効果があるかどうかを検証するために何もしない状態のグループです。

身体活動の測定
実験群の身体活動は、歩数計で測定されました。

流動性推理
流動性推理は、迅速かつ抽象的に推論する能力を測定しました。 一般的に知能の主な要素と見なされており、学習したことのある知識にあまり依存していない状況で問題を解決する能力です。

この研究で使用されているSPMテストは、一般的な知能と認知の誘導能力を測定するために設計されました。
Ravenらによると、誘導能力とは、新しい洞察を生み出す能力混乱の中で意味を識別する能力知覚する能力および関係を識別する能力です。

学力
Palmetto学力挑戦テスト(PACT)では、英語/言語技術(ELA)、数学、理科、社会の4つの科目において学生の達成度を測定しました。

教員研修
実験群に任意的に割り当てられた3人の教師は、合計4回の研修セッションを受けました。
各研修セッションは約90分間続き、数学、言語技術、社会、および基本的な運動スキル(すなわち、ランニング、ホッピング、ウォーキングなど)を教えることに焦点を当てたものでした。

肥満度
肥満度指数(BMI)は、 Fitness gramを使用して計算され、身長と体重の測定値で構成されていました。BMIのFitnessgramの特定の区切り分類に基づいて、a)良好健康区間(HFZ)にあるか、b)良好健康区間にない(非HFZ) に分類されました。

データ分析
t検定を使用して、群ごとに調整されたPACT得点の平均の差を調べました。
さらに、多変量解析(MANOVA)統計モデルを使用して、群ごとの流動性推理、学業成績、およびBMIの結果の違いを調べました。

結果

流動性推理:SPMテスト
実験群の子どもは、介入後に平均38.61のSPM流動性推理テストの累積認知得点を取りました。この数字は、統制群の子どもよりも有意に高かったです(m = 36.66; P = .045)。
HFZのFitnessgramの分類に基づいて健康的な体重と考えられた子どもたちは、健康でない体重(非HFZ)の同級生と比較して、SPM流動性推理テストのすべての成分で高い得点を獲得しました。

学力:Palmetto 学力挑戦テストPACT
群ごとにPACT得点を調べると、実験群の子どもたちは、統制群の子どもたちよりも高い割合で上級および上級の資格を取得していました。群ごとのPACT項目の周波数、パーセンテージ、およびt検定値を表1に示されています。

表1 群ごとのPACT項目の周波数、パーセンテージ、およびt検定値 (Julian A. Reedら(2010)の表4に基づいて作成)

PACT レベル  

英語/語(%)
t検定値= 0.711
P=.478

 

数学(%)
t検定値= 1.107
P=.09

社会学(%)
t検定値= 2.936
P=.004
科学(%)
t検定値= 1.490
P=.140
実験群 基本以下 1(1.3%) 4 (5.1%) 0 (0.00%) 0 (0.00%)
  基本 13 (16.7%) 36 (46.2%) 6 (17.6%) 9 (20.5%)
  熟達 45 (57.7%) 24 (30.8%) 6 (17.6%) 17 (38.6%)
  上級 19 (24.4%) 14 (17.9%) 22 (64.7%) 18 (40.9%)
統制群 基本以下 0(0.00%) 5 (6.9%) 10 (21.7%) 1 (2.8%)
  基本 17 (24.6%) 42 (58.3%) 8 (17.4%) 9 (25.0%)
  熟達 37 (53.6%) 17 (23.6%) 8 (17.4%) 17 (47.2%)
  上級 15 (21.7%) 8 (11.1%) 20 (43.5%) 9 (25.0%)

注意 
上級=生徒はカリキュラムの基準に基づいて生徒の成績に対する期待を上回っています。
熟達=生徒はカリキュラムの基準に基づいた生徒のパフォーマンスに対する期待を満たしています。
基本=学生はカリキュラムの基準に基づいて、学生のパフォーマンスに対する最低限の期待を満たしています。
基本以下=学生はカリキュラムの基準に基づいた学生のパフォーマンスに対する最低限の期待を満たしていません。

まとめ

この調査は、運動が青少年の流動性推理にプラスの影響を与える可能性があるというさらなる証拠を提供しており、公立学校の環境で小学生の認知発達を促進するために運動は不可欠な要素であると考えるべきです。

身体活動は、エピネフリンとノルエピネフリン(アドレナリン)の放出を刺激し、子どもの注意を喚起し、すぐに学習できるようにすることでも知られています

幼児期に始まり、思春期まで続くことを考慮すると、定期的な運動は子どもの認知および学力の発達を高める単純で重要な方法かもしれないとWelchと彼女の同僚らは報告しています。
簡単な運動を定期的に取り入れて、健康面でも勉強面でも向上していくと良いですね。

(参考文献:Julian A. Reed, Gilles Einstein, Erin Hahn, Steven P. Hooker, Virginia P. Gross, and Jen Kravitz. Examining the Impact of Integrating Physical Activity on Fluid Intelligence and Academic Performance in an Elementary School Setting: A Preliminary Investigation: Journal of Physical Activity and Health, 2010, 7, 343-351)

その他の参考文献
Gabbard C, Barton J. Effects of physical activity on mathematical computation among young children. J Psychol. 1979;103:287–288.
Raven J, Raven JC, Court JH. Standard Progressive Matrices. San Antonio, Texas: Harcourt; 1998.
Sibley BA, Etnier JL. The relationship between physical activity and cognition in children: a meta-analysis. Pediatr Exerc Sci. 2003;15:243–256.
Welsh MC, Friedman SL, Spieker SJ. Executive functions in developing children: Current conceptualizations and questions for the future. In: McCar ne Blackwell Handbook of Early Childhood Development. Malden, MA: Blackwell; 2006.

ABOUTこの記事をかいた人

Cheah

母国はマレーシアで、日本に留学し薬学部を卒業した後、薬剤師として15年働いていました。アメリカに12年間住んだことがあり、日本には13年住んでいます。 子どもが3人と孫が1人います。今までの子育て経験を生かした記事を書きたいです。

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