「モンテッソーリ×レッジョ・エミリア 」天才性を引き出す子育てとは?

こんにちは。

今回は0〜6才のお子さんの「天才性を引き出す子育て」とはどんな子育てなのかご紹介したいと思います。

本書は、モンテッソーリ教育(子どもの自立を目指す)レッジョ・エミリア教育(子どもの感性・創造性を伸ばす)をベースに著者オリジナルの「4Kメソッド」(簡単・観察・環境・感動)を加えた子育て法を紹介しています。

モンテッソーリ教育に関してはこちらの記事を、レッジョ・エミリア教育に関してはこちらの記事を参照頂けると、より知識が深まるかと思います。

著者の考える「天才性」とは、『単に勉強ができるというスケールの小さなことではなく、自分で考え、創造性を発揮して、行動できる力』をさします。そんな子どもに育てる子育てとは一体どんなことをすれば良いのでしょうか?

早速詳しく見ていきましょう!

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

0〜6才のための天才性を引き出す子育て

1.天才性を引き出す子育て

2才ごろに現れるイヤイヤ期は「指先遊び」に意識を向かわせると、遊びながら天才性を伸ばしていきます。子どもが何に面白がっているのかを観察し、その面白がっていることこそがその子の伸ばしたい才能なため、思う存分やらせてあげると一気に才能を伸ばしていくそうです。

子どもにとって一番大切なことは、日々の「驚きと感動」です。好奇心がもたらす驚きと感動は、学びの原動力となります。しかし、子どもと大人は感覚が少しずれているため、子どもが好奇心を持ってする行動は、知識と経験が豊富な大人から見たら、いたずらやイライラの原因になることがあります
そこで、親が日々の生活の中で本書で紹介するような「簡単」に取り組める子育て法を知り、子どもにとって適切な「環境」を用意できたら、きっと子どもの天才性が引き出されるはずです。

特に著者が親に心がけてほしいと考えているのは、子どもに対する「言葉がけ」を変えることです。「すごいね」「えらいね」といった漠然とした褒め言葉ではなく、「これができたね」「こういうことをしたんだね」というように、事実をそのままポジティブに伝えましょう。その後に、親自身の気持ちを伝えると良いようです。
どんなに小さなことでも、観察し認めることで、子どもは「自分をわかってくれた」と喜びを感じ、他のことへの挑戦意欲が湧くのです。

2.天才性を引き出す7つのポイント

  1. 観察から始めよう
    観察するというのは、子どもがどのような順序で発達していくのかあらかじめ知り、今はどんなことに興味をもっているのかを注目することです。
    特に、子どもの手を見ると、何に興味をもっているのかわかります。また、子どもが興味あることは、繰り返し行うことが多いので、子どもの行動に規則性があるかどうかも観察してみましょう。
  2. 遊び方に注目しよう
    子どもは発達段階にあったおもちゃで遊ぶものですが、現実には遊ばなかったり前の発達段階のおもちゃに戻ってしまうこともあります。これは、子どもは遊びを通して心のバランスを整えるため、より簡単な遊びをしている時は、「できた!」という体験を何度も繰り返し、心のバランスを整えようとしているようです。
    そんな時は、子どもの意志を尊重し、心ゆくまで遊ばせてあげましょう。
  3. 60%ルール
    60%ルールとは、自分が考える理想の60%できていたらOKと考えることです。自立へと向かう子どもを妨げず、完璧を求めないようにしましょう。親に心の余裕がある方が、子どもの天才性や自立を引き出すのです。
  4. 自分で選ばせよう
    日常生活の中で、食べ物や着るものなど、できるだけ子どもに選ばせるようにしましょう。人生に欠かせない「決断」の練習を早いうちから積ませてあげると、いざという時の大きな決断も自分で考えてできるようになります。
  5. お手伝いを活かそう
    発達段階に合わせたお手伝いをさせてあげると、家族の一員としての自覚が芽生え、社会性が育ちます。お手伝いをする環境づくりは、年齢別に以下まとめています。
  6. 正しさより楽しさを
    正しい幼児教育をと情報を探っていくと、つい他人の子どもと比較したりあれもこれもとやらせたくなりますが、子どもが一番欲しいのは、お母さんの笑顔です。大事なことは、正しさよりも楽しさですよね。
  7. いつからでも軌道修正できる
    子育てはいつだって軌道修正できます!もう過ぎてしまったと後悔せず、目の前の子どもをよく観察し、「今」を大切に子どもの心を満たしてあげましょう。

3.発達段階別・環境づくり

  1. 生まれてから3ヶ月くらいまで
    この時期は人や手の動きを目で追いかける習性がありますが、まだ焦点が定まっていないので、20〜50cmほどの距離しか見ることができません。また、自分の手を見つけ、「これは何だろう」と思って、しゃぶってみたり、手足をバタバタ動かしてみるのもこの時期の習性です。
    そこで、トッポンチーノ(ママの匂いがついた薄い布団)を用意したり、ムナリ・モビール(白黒にデザインされた図形やガラス玉を紐で吊るしたもの)で追視のトレーニングをすると良いでしょう。
    その他、毎日できるだけ、決まった生活リズムにすることが大事です。
  2. 生まれて3〜6ヶ月
    ようやく首が座ってきたこの時期は、自分の体に両手があることに気づき両手を合わせようとします。この時期は、「手と目の協応の時期」でもあり、先に手が動いて何かに当たり、そこに目がいくという順番で協応していきます。
    子どもはお母さんの真似をしようとするので、「いないいないばあ」などの手遊びをしたり、歌を聞かせ声を出したいと思わせると良いでしょう。また、この時期は視覚が発達してくるので三原色(赤・青・黄)を目に触れさせる機会を作りましょう
  3. 6ヶ月〜1歳
    この時期は寝返りがうてるようになったり、ハイハイ、4本の指でつかむ、わしづかみするなどの行動ができるようになるので、手づくりおもちゃで遊びに工夫を凝らしましょう。
    ガーゼハンカチを吊り下げ用ハンガーに吊るしたり、ガラガラやストロー刺しなど、身近なものでおもちゃを作り、指先を使わせてあげましょう
    また、時間を決めて離乳食を手づかみで食べさせてみるのも脳に良い影響を与えます。口に入れないよう注意しながら、泥や土、粘土、絵の具などいろいろな質感のものに触っておくのも良いです。
  4. 1歳〜1歳半
    この時期になると、立つ・歩く・走るができるようになります。具体的に、3本握り、叩く、摘む、落とすなどができるようになります。自分で選んで取り出せたり、必要なものを揃えることができる環境づくりを目指します。
    子どもが作った作品を飾る場所を決め、創造力を育んであげましょう。飾る期間や場所は制限しつつも、飾られることが子どもにとっては誇らしいことで自己肯定感が自然と上がります。シールは貼ることよりも剥がすことから始めると良いでしょう
    この頃から、お手伝いの準備をしましょう。物がどこにしまってあるのか伝えたり、実際に取ってもらったりすると良いです。
  5. 1歳半〜2歳
    この時期になると、ますます歩いたり走ったりするようになります。散歩中の寄り道も激増するでしょう。この観察が何より大事なので無理のない範囲で付き合ってあげましょう。
    子どもが1日歩ける距離は年齢(キロメートル)だと言われているので、休憩しながら、時には抱っこして子どものペースで見守りましょう。   

    散歩で何かをジーッと観察していたら、家に帰って図鑑で調べたり、創作してみたりしてその時興味あることを深掘りするのが良いです。これはレッジョ・エミリア教育の応用です。小さなポケット図鑑を持ち歩いたり、季節感のあるものをファイリングしたりするのもおすすめです。
    手と指をよりうまく動かせるようになり、子どもの世界がどんどん広がります。シールやおもちゃを使ってどんどん手指を動かしてあげましょう

  6. 2歳
    この時期になると、これまで以上にできることが増えてくることで、自分への評価が厳しくなる子どもがいます。自分のやることにプライドを持ち、周りからの評価に敏感になるわけです。いわゆる「イヤイヤ期」ですね。
    うまくいかなくて癇癪を起こす子どもには、「泣かなくて大丈夫、『手伝ってください』と言えば良いのよ」と伝えあげましょう。実はこの手伝ってくださいというのは命を守る言葉です。人に頼ること、人と協力することの大切さを教えるチャンスです。   

    この時期になると、においを嗅げるようになるので、お花やお茶、自然のにおいをかぐ回数を増やしましょう。遊びの工夫としては引っ張る動作やお手伝いの難易度を少しあげてみましょう。4歳くらいになると子どもの中に「面倒くさい」という気持ちが芽生えるため、それまでにたくさん経験させてあげましょう。

  7. 3歳
    三つ指で持てるようになるため、鉛筆やお箸などいろいろなものを持たせたり掴んだりする練習をさせてみましょう。遊びの工夫としては想像力と創造力を働かせて、道具がなくても楽しむ方法を子どもと考えてみると良いかもしれません。人形がなければタオルや人差し指で代用したり、おもちゃのパーツがなければ紙に書いたり他のもので作ってみたり。創意工夫して遊ぶ力が子どもの天才性を引き出すのです。                    

    この時期になると、状況を理解する力が驚くほど高まります。そのため、外出する時は「何時に出て、どこに出かけるか、何に乗るか、そして乗る時は何に注意するのか」を事前に伝えるようにしましょう。また、保育園や幼稚園にいく前の準備や後始末を自分でできるようにするのが理想的です。できなくても決して叱らず、まずは大人が子どもにしてほしいことの見本を見せましょう

  8. 4歳
    この時期は、より精巧で緻密な作業ができるようになります。縫いさしや手先を鍛えるお仕事をすると良いでしょう。しかし、実は子どもは「何もしないボーッとする時間」が必要なのです。刺激にあふれた毎日を送っていたら、何もしない退屈する時間を設け、自分で何かを生み出す創造力を育みましょう。                 

    この頃になると、より活発になり、なかなか言うことを聞かないことも増えてくるでしょう。時には叱ることも必要ですが、うまく叱るにはちょっとしたコツが必要です。人間にとって一番怖いことは「無関心」です。何か叱らなければならないことが起きたら、子どもの目線の高さに合わせて、淡々と事実だけを注意します。時間は1分もあれば十分です。

  9. 5歳
    この頃になると、他人への思いやりや誰かのために何かをするという行動が目立つようになります。指先の巧緻性を高めるためにも、「豆腐をお箸で掴む」練習がおすすめです。「豆腐の気持ちになって優しく持ってみよう」と言うと、相手の立場に立って考える力が身につきます。豆腐以外にも、お花や動物などと触れ合うことで子どもの思いやりを引き出せると良いでしょう。                

    5歳を過ぎたら今までよりも一層「自立」に向けた育て方へとシフトチェンジしましょう。自分一人で物事を行えるよう、自分を律する自律も必要になりますが、その自律の練習は「我慢する」ことでトレーニングできます。子どもが好きな食べ物を少し分けてもらうよう言ってみて、子どもがどうしようかと悩む時間を設けたら練習成功です。分けてくれたかくれなかったかの結果はさておき、分けようかどうか悩むことが子どもの自分を律する訓練になり、自分で物事を判断する自立心を養うのです。

以上、0才〜6才頃までの発達段階に合わせた環境づくりについてまとめてみました。
ぜひ本書で詳しく見てみてください!

まとめ

以上が、「0〜6才のための天才性を引き出す子育て」をまとめてみたものです。

本書はモンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育をベースに、著者の考える4K(簡単・観察・環境・感動)を加えた子育て方法を提唱していました。ここがモンテッソーリ教育を取り入れている子育てだ、といった細かい分類分けはありませんが、私は著者の考える天才性を引き出す子育て方法は、全体を通して、子どもの自立を促し、創造力を育む子育てメソッドだと感じました。

レッジョ・エミリア教育は、グーグルが社内に保育所を作る際に取り入れたほど有名な教育法ですが、その感性や創造力を養う子育てこそ、著者が伝えたい子育て方法なのではないかと感じます。著者は、特にイヤイヤ期の子どもを持つ家庭を多く指導してきたようですから、子どもの「こうしたい」「自分でやりたい」という欲求をうまく満たしてあげ、それを自分で創造する力に変えるコツが、本書に多く書かれていたと思いました。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?
そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名 0〜6才のための天才性を引き出す子育て
著者 いしいおうこ

親勉チビーズ協会代表。
東京の三代続く幼児教育一家に生まれる。二児の母。
幸せな子どもをひとりでも増やすことを目指し、お母さんの居場所(親子サロン)を主宰。
また、来たる新時代に備え、創造教育とモンテッソーリ教育を子ども達への直接の指導を行う。
複数の大手企業の教育事業監修、プリスクールのオープニングアトリエリスタ、カリキュラムデザイナーとしても活動してきた。
その中で、6100組を超える親子の相談、とくにいわゆる「イヤイヤ期」の子どもをもつ家庭の指導を数多く経験。一人ひとりの子どもの天才性を引き出し、才能を伸ばすために、イヤイヤ期をはじめとした、それぞれの発達段階に応じた子育てのコツを、全国のお母さんに向けて伝授している。その様子は、TV、ラジオでも紹介されている。

発行所 日本能率協会マネジメントセンター
発行日 2019/09/28

 

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