小学校高学年からでも間に合う!世界で活躍できる英語力を身につけるには?(実践編)

前回は、書籍「ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語」の言語習得のメカニズムなどについてご紹介しました。
今回は、後編として具体的なアクティビティなどを紹介しようと思います。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

「英語が大好きな子」を育てる最高の環境づくり

皆さんは、お子さんの「技能特性」を知っていますか?
4技能(読む、聞く、話す、書く)のそれぞれがどう発達していくかは、子どもによって違います。子どもが得意なことは、年齢目安を無視して、どんどん進めて学習してもよいのです。

「万人にとってベストな学習方法」を「あなたのお子さんにとってベストな学習法」へとバージョンアップしてください。

英語で遊んで好きになる

①TPRで身体ごと馴染む

TPR(Total Physical Response:全身反応教授法)は、アクティビティに基づくアプローチの一つです。多くの児童向け英語教室でもすでに取り入れられています。やり方はとてもシンプルで、英語で指示されたことに対して、子どもが動作で反応することを繰り返すだけです。

②英語で声掛けをしてみる

日々の何気ないシーンの中に英語を取り入れてみてください。褒めるとき、何かを考えさせるとき、短い歌を使った声掛けなどです。
例えば、「Good job!」「Look! What is that?」「Clean up,clean up! Everybody everywhere!」です。

③親の声で読み聞かせ

大きな書店の洋書絵本コーナーに一緒に出掛けて、子どもと選ぶとなおよいでしょう。上手な英語でなくても構いません

④ゲームで英語にのめりこむ

子どもが喜ぶテレビ番組、アニメやゲームなどに英語を組み込むことです。ポイントは、子どもに見せっぱなしにしないことです。一緒に視聴し、視聴後は登場人物のセリフのものまねをしたり、歌を歌ったりしてみてください。

英語が気になる耳になる

①フォニックスを体験してみる

聞き流すだけではなく、必ず聞こえた音を発声するように練習してください。

②動画を見ながら真似してみる

YouTubeで「phonics」と検索してみてください。例えば、上位に表示される「Phonics Song」(KidsTV123)などは1.9億回と、多くの方が視聴しています。
教材を買う前に、これらを使ってお子さんと練習してみるのもいいですね。

③英語が目に飛び込む部屋を作る

室内やトイレにアルファベットポスターを貼ってみてください。お風呂の壁に貼ることができる、濡れても平気なポスターもあります。お風呂では声が響くので、より発音を楽しみやすくなります。

「英語に自信がある子」になる最高の生活習慣

英語は大逆転の可能性があるということを忘れてはいけません。

英語の音と文字を結びつける

①フォニックスクイズをやってみよう

アルファベット表の大文字小文字をランダムに指しながら、それぞれのフォニックス読みを確認してください。文字と音の対応関係についての理解が深まると、子どもが知らない単語を見せて何と読むかクイズを出してみましょう。

②静かにお勉強しない

書くたびに声に出して「音」を意識しましょう。それを踏まえたうえで、まずは書写から始めます。次に、単語の穴埋め問題をしてみます。

③本を読む習慣をつける

読んだ本の内容について、お子さんと話をすることはおすすめです。また自室で読書するのではなく、保護者の方もお子さんの前で読書をしてみせてください。

④リピーティングで子どもの脳が変わる

文字を使わずに、「耳と口」を鍛えるのがおすすめです。

英語でコンテンツを楽しむ

①英語のロールモデルを見つける

「英語ができるとかっこいい!」という認識が、本人のやる気を高めてくれます。スポーツをしているお子さんは、憧れのスポーツ選手が流暢な英語でインタビューに答えているシーンなどは、強力な動機付け材料になるはずです。

②英語でサイエンス

学校で習ったことの関連した英語のコンテンツを選んで学習することです。例えば、理科で虹の勉強をしたなら、虹の色を英語で確認してみてください。

③英語日記で書く楽しさに触れる

スペルや文法のミスに神経質になる必要はありません。「自分が描いた英文が、お父さん、お母さんに伝わった!」という体験をすることに重きを置いてください。書こうとしていることを褒めてあげてください

④ゲームで楽しく英語を学ぼう

ボードゲームやカードゲームなど、様々なオモチャがあります。

英語にもルールがあることを理解する

①お気に入りの映画を文章で体感する

ハリーポッターやチャーリーとチョコレート工場などは、見たことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらは、洋書もあります。映画でストーリーが分かっているものは、英語で読んでみても理解できるところがあると思います。「ちょっと読める!」という体験をさせてあげてください。

②文通・支援で社会問題にも目を向けさせる

現地の子どもに手紙を送れるプログラムを利用して、世界の国々や文化に触れてみてください。
身に着けた英語力を「他人のためにどう役立てるか」「国際社会の中でどう生きていくか」という観点で据え直すことも大切です。

「英語で考える力」が身につく最高のサポート

①なりきって映像シャドーイングをしよう

シャドーイングとは、音声が聞こえてくると同時に、それを真似して口に出すだけの、非常にシンプルなトレーニングです。しかし、いきなりシャドウイングを始めず、映像全体を見た後、練習用シーンを決め、字幕の有無を変えながら見るなどしてから取り組んでください。

②中学三年間で英文法をコンプリート

中学生で基礎的な文法を理解していれば、高校生になったとき、大学入試の受験勉強が圧倒的に楽になります。さらに、「英語学ぶこと」に煩わされず、「英語学ぶこと」に没頭できるというメリットもあります。

③「一冊を読み通せた!」という自信を持たせよう

本当の読解力とは「本」を読む力です。

④間違いを気にせず書く体験をさせよう

ライティングのトレーニングも同時に進める必要があります。まずは、どんどん文章を書くことを目標にすべきです。そこでうってつけなのは、ペンフレンドです。共通の趣味や関心があれば、子どもも「何が何でも伝えたい!」という姿勢を持ちやすくなります。

英語で「知性と教養」を磨く

①英語でアカデミックなコンテンツに触れる

アメリカ大学の一般教養課程で使われる教科書などもおすすめです。この時に、パラグラフごとに大まかな趣旨をつかむパラグラフリーディングも組み合わせてみてください。

②日本にいながら海外体験

短期留学オンライン英会話など様々なサービスが登場してきています。

まとめ

以上が「ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語」の中から具体的なアクティビティをまとめてみたものです。書籍でたくさん紹介されていた中でもすぐにできそうなもの、イメージしやすいものを中心に紹介しました。

また、ここでは、文通という方法もご紹介しました。私が通っていた高校では、2年生の時に台湾の高校生と交流会がありました。一日一緒に授業を受けたり、剣道や柔道の部活動の見学が行われたりしました。

その後、希望者は台湾の生徒と文通をすることになりました。英語で手紙を書いてやり取りします。その時英語に自信がなかった私は、希望しませんでした。やりとりをしていた子たちは、手紙でお互いの文化を教えあったり、たまに台湾のお菓子などが送られてきたりする子もいました。それを見て、私もやり取りをしてれば外国のお友達ができたり、外国のことを知れたのに…と後悔しました。

自信がなくても、やり取りをするうちに身につくこともたくさんあったのではないかと思います。機会があるなら、ぜひ挑戦してみてください!みんなとても楽しそうにやり取りしていました!!

この書籍には、アクティビティを行うための教材もたくさん紹介されています。また、ここでは一部の具体的なアクティビティのみを紹介させていただきましたが、書籍にはそのときのポイントなども詳しく書かれています。具体的な声掛けもたくさん挙げられていました。ぜひこの本を手にとってみてくださいね!

「Stand up.」「Walk.」「Excellent!」「Let’s try one more time!」
これらの指示や声掛けは、英語が苦手な私でもできそうです!

なお、今回ご紹介した英語力の身につけ方に科学的根拠はありません。ですが、勉強方法の一つとしてご参考になればと思います。みなさんそれぞれに合った方法が見つかればいいなと思います。

今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介していくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。

書籍名 ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語ーわが子の語学力のために親ができること全て!
著者 斉藤 淳(さいとう じゅん)

J PREP 斉藤塾代表、元イェール大学助教授、元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大学合格者も数多く出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
著書に『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK 出版新書)、また研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。

発行日 2017年12月6日 第1刷発行
発行所 ダイヤモンド社

ABOUTこの記事をかいた人

Ishida

教員を目指す教育学部の大学生です。大学で学んだことも取り入れながら、勉強法や接し方など子育てに役立てることができる書籍を紹介していきたいと思います!

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