小学校高学年からでも間に合う!世界で活躍できる英語力を身につけるには?(基本編)

昨年から小学校での英語教育が全面的にスタートし、小学3年生から英語の勉強をするようになりましたね。

家でもお子さんのフォローをしたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、「自分が学生時代英語ができなかったから…」「今からしても、遅いんじゃないか…」など不安もありませんか?

でも、そんな心配は不要です!
今回は「ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語」という本を2回に分けて紹介したいと思います。この方法で、英語が苦手だったからこそ、お子さんの英語力を伸ばすことができた例もあるそうです!

まずは、基本編として第二言語習得のための「常識」や、標準的な考え方についてご紹介します。次回は、実践編として具体的なアクティビティなどをご紹介します。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

英語を自分で学べる子に育てる

語学はまず「音から」入る、これが基本です。カタカナ読みの癖がつく前の子どもであれば、そこまで手の込んだ指導をしなくても、正しい発音を自然と身につけることができます。

フォニックス学習法

ひらがなでは「あ」の文字はいつも「ア」と発音されます。しかし、アルファベットでCの文字は[k]と読むときも[c]と読むときもあり一つの読み方ではありません。そこで、各アルファベット文字に一つの音を対応させたのが、フォニックスです。フォニックスの読み方では、代表的な音と文字をセットで覚えることができます。これは、小学生についていえば、その後の学習効率を圧倒的に高めてくれる最強の方法と言っても過言ではありません。

フォニックスを学習した子どもは、初めて目にした単語でも、文字から音を自分で再構成し、発音できます。マスターすれば、逆の「音→文字」の表現力も身につきます。

この学習法の最大の効果は、子どもが自分で学ぶ態勢を整えられることにあります。

極論を言えば、親が子どもの英語のためにできることは、
①子どもが「自分で学ぶ」ためのスキルや環境を手渡すこと
②子どもに「自分はできる」と実感させること

カタカナルビ

appleをアップルのようにカタカナで表現しているものもありますが、カタカナルビは補助としても使うべきではありません。結局、丸暗記になってしまいます。あとあと混乱し、困るのは子ども自身です。

また、ローマ字は外国人が日本語の発音を学習するためのツールです。子どもの英語習得を目的にした場合、ローマ字は遠回りになってしまいます。

「英語のアタマ」を我が子に授ける

英文法を学ぶこと

お子さんが10歳以下の場合、「英文法ファースト」の学習は絶対に避けるべきです。

ここで問題にしたいのは、「文法だけ」を抜き出して学ぶ学習モデルです。受験英語は、「be動詞」や「不定詞」などの部品を植え付け、それらを使って短文の不自然な寄せ集めを解読させているのです。
しかし、現実のコミュニケーションを考えてみてください。多少分からない要素が含まれていようと、自分で意味を想像しながら一定量のインプットを継続することが欠かせません。その方が文法知識の定着や応用力の要請にはプラスですし、かかる時間も少なくて済みます。

では、最適な学習方法は何でしょうか。それは、映像です。

①一定の「状況」を「目」で見ながら、
②変化する「音」を「耳」で聴き、
③同時に「発音」を「口」で行う

状況と単語を適切に対応付けて、しかもそれを何度も反復できるようなツールが必要です。
そこでおすすめがピクチャーディクショナリーです。ピクチャーディクショナリーとはネイティブの子ども達が辞書のように使う絵本のことです。親子でイラストを指さしながら発音してもいいですし、「It’s a cat. It isn’t a cat. It’s a dog.」などのように簡単な文を練習してもよいでしょう。何か共通のテーマで紐づけて学習することが大切です。

のちに英文法のルールを自分で発見し、自ら応用することができるようになります。

ただの英語上手で終わらない

英語だけを勉強することは次の二つのことから推奨されません。

①モチベーションが維持しずらい

本当に英語を身に付けたければ、一定期間学習を続けなければいけません。そのためにはモチベーションの維持がカギになります。親の言葉にはものすごい力があります。お子さんをどんどん褒めて、英語を使うことの楽しさを実感させてあげることが大切です。

②学習効率が高まらない

ただ英語”“学ぶよりも、英語”“何かの知識を学んだ方が、学習効率が高くなります。例えば、外国人力士の人はとても流暢に日本語を話します。これは、相撲という文化的コンテンツの中で言葉を吸収しているからです。ピクチャーディクショナリーのところでもあげたように何かと紐づけることで学習効率が上がります。

優秀な親ほど誤解する5つのこと

誤解1 片言でも会話ができれば十分

片言でもよいという事はありません。「幼稚な英語」だと損をします。これからは、「英語をしゃべる能力だけはある子」は大して珍しい存在ではなくなるでしょう。ビジネスや学問の現場でも、自分の専門性を軸にコミュニケーションができる言語スキルを身に付けなければなりません。

誤解2 学校の「英語」と「英会話」は別物

「学校での英語力」と「実践的な英語力」は別物と捉えられることがあります。しかし、実際は本物の英語力があれば、入試もカンタンです。2020年度の新しい学習指導要領になったことで、「4技能(読む、聞く、書く、話す)重視」の流れは、加速するはずです。文法知識だけでは優秀な成績を取ることができなくなり、本当の英語力がある子が正当に評価される時代が到来するでしょう。

誤解3 12歳では手遅れ。幼児から英語教育を!

小学校高学年から英語学習を始めることは、手遅れだと考える方もいらっしゃるかと思います。しかし、これは仮説にすぎません。一般的に言われる英語の臨界期は、じつは”あってないようなもの”です。学習者の年齢に応じた「アプローチ調整」は欠かせません。

誤解4 それでもバイリンガルに育てたい

SLA(Second Language Acquisition 第二言語習得)のバイリンガル研究では、2言語を同程度に操れるバイリンガルはほとんど存在しないことが証明されています。複数の言語連用能力と同時に、主になる知力を一定レベルにまで磨くことの方が、子供の将来にとってははるかに重要です。

英語を使いこなせる人は、頭の活動を日本語脳から英語脳に切り替えています。「英語の頭」のまま英語を聞き、「英語の頭」のまま考えて、「英語の頭」のまま発話をしています。これにより母語と同程度の素早いレスポンスが可能です。英語の頭を作ってしまえば、しばらく英語を話さなくても、学んだ成果がゼロになることはありません。

誤解5 私は手遅れ。とにかく子どもの英語力を!

誤解3でもお話したように、英語学習に手遅れはありません。「学びたい」と思った時がタイミングです。

子どもに英語を教える役ではなく、「学友」になりましょう。子どもは親の学ぶ姿勢をよく見ています。社会的なつながりの中で一緒に学ぶ人がいた方が、語学習得は成功しやすいのです。

まとめ

以上が、「ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語」の中から英語力取得の基本的な考え方についてまとめてみたものです。

時代が進むにつれ、語学も進化し、学び方も変わってきました。一度、新しい方法でお子さんとともに学んでみませんか。これから始めるので、英語が苦手だった保護者の方も大丈夫だそうですよ!!

この本を読んで、実際にフォニックスの発音練習をしてみました。調べてみるとたくさん出てくるのですが、どれもリズムに合わせて発音練習を行うので、お子さんと一緒に楽しんで行えると思います!

私もこのコロナ時間を生かして、英語を勉強しなおしてみようと思います。将来仕事に活かせることはもちろんですが、趣味も楽しめたら、と思います。わたしも、洋画鑑賞をしてみたいです。洋画が似合うかっこいい大人を想像して頑張ろうと思います!

楽しみながら勉強するのもいいし、将来の自分の姿を想像してワクワクしながら勉強するのもいいですよね!

この書籍は、イラストや表などを使用して説明されています。また、重要なとこをは太字や赤線が引かれているので、少し読むだけでも得られることは多いと思います。ぜひ、一度読んでみてください!今回ご紹介した英語の学習法は、科学的根拠があるものではありません。ですが、学習方法の一つとして参考になればと思います。

ここでは、基本編として言語習得のメカニズムに関する研究成果を踏まえつつ、英語を身に着けるための「常識」、標準的な考え方についてまとめました。
次回の実践編では、具体的なアクティビティなどをまとめたものをご紹介します。

今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介していくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。

書籍名 ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語ーわが子の語学力のために親ができること全て!
著者 斉藤 淳(さいとう じゅん)

J PREP 斉藤塾代表、元イェール大学助教授、元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大学合格者も数多く出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
著書に『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK 出版新書)、また研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。

発行日 2017年12月6日 第1刷発行
発行所 ダイヤモンド社

ABOUTこの記事をかいた人

Ishida

教員を目指す教育学部の大学生です。大学で学んだことも取り入れながら、勉強法や接し方など子育てに役立てることができる書籍を紹介していきたいと思います!

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