アンガーマネジメントとは?怒りの感情コントロールの仕方を伝授します♪

みなさんこんにちは。

今回は「アンガーマネジメント」について書かれている書籍をご紹介します。

突然ですが「アンガーマネジメント」という言葉はご存知でしょうか?
アンガーマネジメントとは、直訳すると「怒りの管理」なのですが、「怒らないようになる」のではなく「怒りと上手に付き合うためのトレーニング」だと著者は説いています。

子育てをしていて、ついイライラ、プチンときて、しまいには怒りが爆発してしまう時ってありませんか?子どもに対してだけでなく、夫婦、家族、友人に対しても往々にしてイラッとする事はあると思います。その後、喧嘩や口論に発展させないために、自分の怒りの感情に向き合う方法を本書から紐解いていきたいと思います。

本書では、怒りの要因を明らかにするとともに、6秒ルール深呼吸など、怒りのホルモン「アドレナリン」をやりすごすためのトレーニングや、怒るときの7つの注意点といった具体的な怒り方も紹介しています。

それでは詳しく見ていきましょう!

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント

1.怒るのは「アドレナリン」のせい

怒ること自体は悪いことではありません。人間が感じるごくごく自然な感情です。怒っている時に体の中では何が起こっているのかというと、心拍数や血糖値を上昇させるアドレナリンというホルモンが大量分泌され、脳と体が緊張し興奮状態になっているのです。

軽くイラッとしただけでも、怒りのホルモン「アドレナリン」が分泌されるため、怒ってしまうのは「アドレナリン」のしわざだったのです。

さらに「怒り」にはプラス面もあります。例えば、車通りの多い道に子どもが飛び出そうとしている時に「危ない!」と怒ってしまった。このような怒りは自分の命や大切な人の命を守る時にとても大切です。また、スポーツ選手は、ライバルに負けた悔しさをバネに、練習に精を出すことができます。

怒りっぽいのは「性格」ではなく、「感情のクセ」なのです。自分の感情のクセはなかなか自分では気づきにくいものです。


日本アンガーマネジメント教会のホームページでは、無料で診断できる「アンガーマネジメント診断」があるので、ぜひ気になった方は見てみてください。これを使えば、自分の感情のクセを客観的に知ることができますよ。

2.アンガーマネジメントとは?

上記で怒りのプラス面を挙げましたが、イライラしたり、声に出して怒ってしまうのは自分でも嫌になることがあるくらいストレスになりますよね。

アンガーマネジメントは、自分の心と体を守るための心理トレーニングでもあります。ここでは、怒らないようになるのではなく、「怒らなければならないことは上手に怒ることができ、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになること」を目指していきます。

怒りは突然降ってくるものでも、「誰かのせい」でもありません。自分の感情に責任を取れるようになると、無駄な怒りから解放されます。早速アンガーマネジメントを始めたいところですが、その前に大切なことがあります。

  1. 何よりも大事!しっかり体を休めよう!
    体が疲れていたり、寝不足の状態が続いていたりすると、普段ならなんでもないことについイラッとして怒ってしまうことはありませんか?これはもちろん、アドレナリンのせいなのですが、休息をとることでアドレナリンが抑制されるのです。        

    「部屋は綺麗に片付いているべき」「食事はきちんと手作りしたい」と、その時の自分のキャパシティ以上のことを求めてしまう結果、自分の首を絞め心が疲弊してイライラして誰かにあたってしまっては元も子もありません。少しでも休めるよう手を抜いてみたり、体に疲労を溜め込まないようストレス発散してみたり、思考を少し柔軟に変えてみることは心と体の休息につながります。

  2. 第一次感情を理解しよう!
    第一次感情とは、怒りを感じる前に自分が感じている感情のことです。元気で楽しい時に怒ることって少ないですよね。疲れていたり悲しかったり、落ち込んでいたりストレスが溜まっている時に感じる感情を第一次感情とし、それが要因となってイライラ・ムカムカの怒りの感情を引き起こすことがあります。        

    特に子育て中のお母さんは二十四時間・年中無休です。ほとんどのお母さんが、寝不足で疲労が溜まっているため、常にセロトニンが減少し、アドレナリンが分泌されやすい状況が多いのではないでしょうか。それに加え、子育ての不安や心配、やることがいっぱいという悲しみやつらさなど様々なことを一人で抱えていたりしませんか。
    「しんどい」「つらい」「休みたい」「分かって欲しい」という一次感情を理解し、できれば解消されるだけでも、それが引き金となって感情的に怒ることが減ります。

3.いよいよ実践編!

ここからは実際にアンガーマネジメントの実践をしていきます。怒りの種類やコントロール方法は様々なものがありますので、自分にあった実践方法を見つけ実際にやってみてください。

  1. 6秒ルール(衝動のコントロール)
    諸説あるようですが、怒りの感情のピークは6秒程度といわれています。イラッときたら6秒間、他のことに意識を向けたり、心の中で数を数えたりしてやり過ごしましょう。6秒やり過ごすことで、冷静に物事を考えられたり、怒る必要がないことに気付くことができるかもしれません。
  2. コーピングマントラ(魔法の呪文)
    コーピングとは「切り抜ける」、マントラとは「言葉、呪文」という意味です。ついカッとなってしまいそうな時には、怒りとは関係ない言葉を心の中で言ってみましょう
    最初はなかなか出てこないかも知れませんが、イラッとした時に毎回唱えてみること。例えば、「大丈夫」「そうきたか!」、他にもCMソングや芸人さんのギャグでも何かしらのオリジナル呪文を持っていると良いでしょう。
  3. 4秒吸って8秒吐き出す深呼吸
    アドレナリンが分泌されると、心臓がドキドキし、呼吸が浅くなってしまいます。こんな時におすすめなのが深呼吸です。吸う時は必ず鼻で吸います。4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐き出してきましょう。苦しければ、3秒吸って、5秒吐き出すのでも大丈夫です。
    深呼吸するとセロトニンが分泌されて気持ちが落ち着きます
  4. その場を離れてみる(頭を冷やす)
    本当は怒らなくてもいいのに怒ってしまいそうな時は、いったんその場を離れ「タイムアウト」してみましょう。スポーツにも「タイム」があるように、少しでも頭を冷やす時間をとることがおすすめです。黙って離れるのではなく、相手にも「タイムアウト」することを伝えましょう。
  5. 自分の中で考える「べき」の線引きに気をつけよう
    「こうすべき」「ああすべき」は、自分が大切だと信じているものではありますが、あくまでもそれは「自分にとっては」でしかありません。
    相手がそう思っていなければ、独りよがりで勝手に決めつけ、怒りを感じているだけなのです。時代や立場によって「べき」は変わりますし、常識や価値観は人それぞれ違って当たり前です。
    日常生活で毎日のように怒ってしまっている出来事の中で自分の「べき」を探してみましょう。      

    例えば待ち合わせ。5分前に着くのが理想と考える人もいれば、10分前には着いているべきと考える人もいると思います。その時の相手に応じて、自分の「べき」の境界線を柔軟に変え、怒る必要のないことで怒るのを減らしていきましょう。

  6. 「三重丸」を描く(思考のコントロール)
    怒る基準はどこにあるのか、自分の怒り感情を図式化してみましょう
    「許せるゾーン」は自分の「べき」と同じ。「まあ許せるゾーン」は自分の「べき」とは違うけれど、まあ許せるという範囲。このゾーンはその時の機嫌次第で怒ったり怒らなかったりしてしまいがちです。「許せないゾーン」は自分の「べき」と違って許せない範囲。               

    怒りを感じることがあったら、この三重丸を思い描き自分の怒りの感情の境界線を考えてみましょう
    注意が必要なのは、「まあ許せるゾーン」と「許せないゾーン」を決めたら、それをその日の機嫌で変えないことです。できれば「まあ許せるゾーン」を広げ、相手とのコンセンサスが取れるようになってくると、自然とイライラも減ってくることでしょう。

  7. 「分かれ道」を探す(行動のコントロール)
    「許せないゾーン」に当たってしまったら、二つの道を考えます。「変えられる・コントロール可能」な道は、いつまでに対処してどの程度変われば気が済むのか考えます。
    「変えられない・コントロール不可能」な道は、「変えられない」ことを受け入れ、現実的な選択肢を探します。重要でない場合は、放っておくか関わらないようにしましょう。気になることは見ない、気にしない努力をしましょう

4.正しい怒り方を伝授!

自分に合いそうなアンガーマネジメントは見つかったでしょうか?
ここでは、実際怒る時はどう怒ったらいいのか、正しい怒り方を伝授します。
怒る時の一番の目的は、ただ怒りたいのではなく、相手にこうしてほしいと伝えて、期待する行動をとってもらうことですよね。
この章では、怒る時の7つの注意点を説明していきます。

  1. 機嫌で怒り方を変えない
    機嫌に左右されず、怒る基準(許せるゾーンと許せないゾーンの境界線)を明確にしましょう。
    そして相手や自分を傷付けず、物に当たらないというルールを徹底しましょう。
  2. 怒る時にはリクエストを添える
    怒る場合には、相手に対して「次からこうしてね」というリクエストを伝える必要があります。
    リクエストが添えられていなければ、それは単に感情的に怒ってしまっているだけです。何が問題だったのか、それをいつまでに・どの程度してほしいのか、具体的に言葉にして伝えます。
  3. 人格攻撃しない
    人格攻撃は絶対NGです。事実や改善できることだけを伝えるようにしましょう。相手の能力を否定するのもNGですよ。
  4. 人前で怒らない
    見せしめのように人前で怒るのはやめましょう。基本は一対一のface to faceが望ましいです。
    特に兄弟・家族の前で怒るのは避けてください。プライドが傷付けられ、反発心を起こし、聞いてほしいことが伝わらなくなります。
  5. 一方的に決めつけない
    事実を確認しないまま怒ってしまうと、信頼関係が崩れてしまいます。
    また、過去のことを持ち出したり、強い表現の「決めつけ言葉」を使ってしまうと相手はやる気をなくします。「いつも」「絶対」「必ず」「どうせ」「また」などの表現は外しましょう。
  6. 程度言葉もNG
    どの程度かわからない言葉を言われると、相手は困惑してしまいます。
    「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」「まともに」「みんな」「常識で言うと」「普通は」「当たり前」といった程度言葉は、その人の「べき」の境界線や時代、立場によって変わります。
    具体的に「いつ」「どこで」「どのくらい」「どのように」と明確な言葉で説明し伝えましょう。
  7. 怒りをぶつけてしまったら謝る
    怒ってしまったら、できればその日のうちに「さっきは感情的に怒ってしまってごめんなさい」「本当はこうして欲しかったんだ」と言葉で謝りましょう
    大人が謝らなければ子どもも真似て謝らなくなります。大人同士も同じで、相手が謝らないと、自分も謝りたくなくなりますよね。

 

まとめ

以上が、「本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント」をまとめてみたものです。

この本は、子育てしている「お母さんのための」アンガーマネジメントと題していますが、内容をご覧になってお分かりの通り、老若男女・全世代に通じる内容だと感じました。
怒りのコントロール・正しい怒り方は、トレーニングによって身につけることができ、ストレスやイライラを減らし穏やかな感情でいることは、相手にはもちろん、自分にも良いこと尽くしだと思います。
しかし本書にもある通り、愛のある怒り方や伝え方は時として必要だとも思います。

2歳の子を持つ親である私は、「おわりに」に書かれている文にハッとさせられました。

「しつけ」とは、その子が持っているいいところをどんどん伸ばして「心」を安定させ、自分で善悪の判断ができるようにしてあげること

子どもは、成長とともにホルモンバランスや環境の変化が大きく変わりやすく、親のサポートはあっても自分の力で対処していかなければならないこともあるため、大人以上に心が乱れやすいと思います。そんな時に親が施してくれた「しつけ」糸を辿って、進むべき方向へと導くことができれば、安心して自分の感情と対峙しながら良き未来へと進むことができるはずです。

子どもに対してだけでなく、家族や友人に対しても、怒って傷付けたり信頼を失ったりせず、冷静に最善の判断ができれば、アンガーマネジメント成功ですね。

著者の人生経験談は今回省略しましたが泣けます。アンガーマネジメントに興味ない方でもイラッとしたことがある方は少なからず思い当たる節があると思うので、ぜひ手にとって読んでみてください!何かヒントになることが書かれていると思います。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名

本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント

著者 島田妙子(しまだ・たえこ)

1972年神戸市北区生まれ。一般財団法人児童虐待防止機構オレンジCAPO 理事長、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。
4歳の頃、両親の離婚で兄二人と児童養護施設に入所。
7歳の時、父の再婚で家庭に戻ったものの、継母と実父による壮絶な虐待が始まり、三度も命を落としかける。
中学2年で児童相談所に保護され、中学卒業後は工場勤務を経て映像制作会社に転職。
22歳で結婚、3人の子どもを育てながら、32歳からの15年間は両親の介護も経験。
2010年末、心の支えであった次兄が白血病で他界。
これを転機に兄の思いを引き継ぎ、本当の意味での「児童虐待の予防」にむけての自叙伝を出版し虐待体験を告白。
以来、全国から講演依頼が相次ぎ、現在は年間100箇所以上で児童虐待根絶を訴え講演している。

発行所 致知出版社
発行日 2020/05/25

 

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