7歳までに育てたい!「鬼頭流・絶対音感メソッド」

こんにちは。

今回は、絶対音感トレーニングで有名な『鬼頭流・絶対音感メソッド』について書かれている書籍をご紹介します。

私は絶対音感というと、一部の人しか得られない特別な才能だと思っていたのですが、こちらの書籍を読んで考え方が変わりました。絶対音感を身に付けると、「音楽の才能」のみならず、言葉の理解力や計算能力・記憶力なども鍛えられるということがわかります。

詳しいメソッドについては本書で見ていただくとして、ぜひ皆さんにもこの絶対音感メソッドを知っていただきたいと思い、まとめてみましたので、最後まで見て下さいね!

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

子どもがどんどん賢くなる『絶対音感』の育て方

1.絶対音感とは?

「絶対音感」とは、音だけ聴いて、その音名が分かる能力のことです。この能力は、生まれ持った才能ではなく、聴覚が発達する6歳くらいまでにレッスンをすれば、誰でも身に付けることができる能力なのです。
「絶対音感」というと、生活音が音名に聴こえてきたり、不協和音で気分が悪くなったりということがよく聞かれますが、みんながみんなそんなことはありません。英語力に幅があるように、絶対音感にも能力幅があります

以下、「聴覚」に関する事実を5つご紹介しましょう。

  1. 「相対音感」とは
    絶対音感に対して、「相対音感」という能力があります。「相対音感」は、最初の基準となる音と比べることで、音名が分かる能力のことです。こちらは、大人でも練習すれば身に付けることができます。また、絶対音感を持つ人が相対音感を得ることもできます。
  2. モーツァルトの曲よりIQが上がった
    生まれてきたばかりの赤ちゃんは視力が未発達なため、音に敏感に反応します。よくモーツァルトの曲を聴かせるとIQが上がると言われていますが、研究によるとそれは一時的な効果で15分後には元通りになってしまったそうです。一方、絶対音感は「永続的にIQを上げられる」「単語の理解力や特定の数字スキル能力を司る脳の側頭平面を大きくする」という研究結果があるようです。
  3. 「臨界期」とは
    人間の脳は、3歳までに80%、6歳までに90%が完成すると言われています。この幼少期に「聴覚」を鍛えることで、脳内で繋がっている五感も鋭くなり、さらなる才能の呼び水になるのです。しかし、注意したいのは、聴覚は他の感覚器よりも早く発達する分、能力を伸ばせる期間も他の感覚器より早く終わりがやってくるのです。聴覚が発達のピークを迎えるのは6〜7歳なため、これを「臨界期」と呼び、それ以降「聴き分ける力」が下がっていきます。
  4. 男女差がある
    一般的に幼少期の男の子は、女の子に比べると耳の感度が鈍いようです。というのも、男の子は自分の世界を持っていることが多く、そこに集中して入り込みすぎ、周囲をシャットアウトしてしまうからです。一方、女の子は家庭の会話や周囲の音をよく聴いていることが多く、言葉の発達が早いように聴き分ける力が高いようです。そのため、男の子は耳の土台作りに少し長く時間を費やす必要があります
  5. 1歳までに機械音は無意味
    1歳までの赤ちゃんの聴覚は、CDやパソコンなど何かの媒体を通してしまった音は認識できず、目の前の直接の音しか学べないようです。赤ちゃんは現実の音と機械音の違いを聞き分けているのかも知れません。
    1歳を過ぎれば、機械からの音も分かるようになります。そのため例えば、英語教育をと、家庭で英語をただ流しているのではなく、それを声に出して聴かせたり、洋書絵本を読み聞かせするほうが良いようです。

2.鬼頭流・絶対音感メソッドのメリット5つ

  1. レッスン1ヶ月で「音」を聴き分けられる
    絶対音感を身につけるレッスンでは、音の名前と実際の「音」を連動させて記憶していきます。平仮名の「あ」という文字を見ながら、「あ」と発音するのを記憶づけるのと一緒です。
    鬼頭流絶対音感メソッドでは、1ヶ月間、和音の「Cコード(ドミソ)」と「ド」と「ミ」を聴かせます。この期間は音階を聞き分ける耳を作るという土台作りの1ヶ月です。             

    幼少期は、脳が急激に発達するため、昨日分かったことが今日全く分からなくなることがあるそうですが心配無用です。毎日正しく行なっていれば、「音」は確実に記憶されていきます
    良くないのは、お母さんが「これで大丈夫なのか?」「本当に分かっているのかしら?」と不安を抱くこと。お子さんに伝心し、レッスン効果が激減してしまうため、お母さんはどっしり構えていることがとても大切なようです。

  2. 続けるほどに早まっていく記憶スピード
    2ヶ月目には新たな和音「Gコード(ソシレ)」を加え、CとGの2コードを聴き分けるレッスンを行います。こうやって、「音」の理解度を確かめながら、コード数を増やしていきます。コードを増やしていくごとに、記憶のスピードがどんどん早まり、単純計算1年半かかるところ、早い子で7ヶ月後には全部聴き分けられるようになるようです。             

    音を定着させるために2週間以上は新しいコードを加えません。絶対音感のレッスンは「音」の記憶だけでなく、百人一首や詩の暗唱など、さまざまな記憶スピードが上がる実績があります

  3. 楽譜もたちまち読めるようになる
    「絶対音感」のレッスンと同じように、「初見で楽譜を読む訓練(譜読み)」でもIQが上がることが分かっています。ピアノの鍵盤で真ん中にある「ド」から右側の1オクターブの譜読みができるようになる訓練から始めます。カードを使ってレッスンしますが、幼少期は記憶が長続きしないため、1日1回30分行うよりも1日1分を4回行う方が早く覚えられます。「カルタ取り」の要領で遊びの中に取り入れると、楽しく続けられます。
  4. 「ドレミ」ではなく「ドミソ」
    順当に「ドレミ」から教えたくなりますが、ここは「ドミソ」から始めます。例えば、白色と黒色を見て、どちらが白色なのかすぐ判断できますが、黄色とレモン色だと似ているため「見比べて」判断してしまいますよね。これは「相対音感」のやり方で、音の高さを比べて判断するやり方です。「絶対音感」はその音を単独で聴いて判断する能力なため、「ドミソ」と離れた音をまず聴き分ける訓練から始めるのです
  5. 1回1分を1日4回
    絶対音感は遺伝でも特別な才能でもありません。保育園や仕事などの都合で難しい場合は、回数は気にせず、少しでも良いので毎日親子で楽しく続けることが大切です。朝、帰宅後、寝る前など1日3回でも良いので、続けられる時間を探って継続していきます。

3.いちばん大切なこと

著者は、絶対音感のレッスンを通して、子どもとの信頼関係を築き、親子のコミュニケーションを深めてほしいと願っています。絶対音感メソッドのレッスンは、音が分かっているかどうか確認する必要があるため、1歳ごろから始めると良いようです。幼少期から親子の信頼関係を築ける点で、絶対音感メソッドのレッスンはとても有意義なものとなるでしょう。

子どもが風邪を引いて体調が優れない時は、レッスンはお休みします。なぜなら、風邪を引くなど体調がよくない時は「音が違って聴こえる」ためです。風邪が治れば、以前のように音が分かるようになるので、安心してゆっくり休ませてあげましょう。「教えたのに覚えていない」と思わず、「知らないこと」として改めて教えてあげれば良いのです。

一番著者が危惧しているのは、「親の言葉」で子どもが愛を勘違いしてしまうことがある、ということです。幼少期の子どもはまだ自分の好きなことを探すことはできません。子どもは、親が身につけさせたいと始めた習い事を、お母さんの笑顔が見たいからという想いで頑張りますが、それは自分のために頑張っているわけではないのです。「よく頑張ったね」や「ここまでできるようになったね」と前向きな言葉を音を上げて伝えると、子どもは親のぬくもりや優しさを感じ、ポジティブな思考力が育まれます。

まとめ

以上が、「子どもがどんどん賢くなる『絶対音感』の育て方」をまとめてみたものです。

この本を通して、著者が伝えたいのは、鬼頭流・絶対音感メソッドによる音感の育成だけでなく、親子の絆やコミュニケーションの大切さだと感じました。親子の信頼関係がなければ、このレッスンは成り立たないと思います。なぜなら、1回1分とはいえ、毎日4回も行うのは結構難しく、継続するモチベーションを親子で保ち、楽しいものにしなければ飽きて脱落してしまうと思うからです。

「聴く力」を育む、絶対音感メソッドについてご紹介してきましたが、これは決して音楽の才能を、というものではなく、人生における「聴く力」を育むものだと私は思います。相手を慮る気持ちや受け入れる心を育むことができるとして、このメソッドはとても有効だと感じました。さらに、冒頭でもお伝えした、音感が育つと記憶力や計算力まで良くなるとくれば、もうこの良さは十分伝わると思います。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?
そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名 子どもがどんどん賢くなる『絶対音感』の育て方
著者

鬼頭敬子(きとうけいこ)
子供のための絶対音感スクールPopular Piano K主宰 K+ONE代表。幼児の耳を育てる絶対音感コーチ、ポピュラーピアノ講師。3歳からのエレクトーンのレッスンによって自然と絶対音感を身につける。24年の子育て経験を持つ2時の母。耳の発達や胎内記憶に深い興味を持ち早期教育を始める。また、独自に3119人の幼児から聴き取り調査をし、幼児特有の理解の仕方、音の聞こえ方などの幼児研究をおこなう。2007年、コードを使った鬼頭流絶対音感メソッドを確立。音楽以外の能力も伸びると、教育熱心な親たちがレッスンに通わせる教室となっている。
https://popularpianok.jimdo.com/

発行所 青春出版社
発行日  2017年4月25日

 

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