みなさんは、「頭が良くなりたい」と思ったことはありますか?
私は学生時代、いつも思ってました(笑)
理系があまり得意ではなかったので、問題を読んでも何からどう解いたらいいのかわからず「もっと頭がよかったらなー」とよく思っていました。
そして今回ある一冊の本に出会いました。それが、「頭が良くなる全技術」というタイトルの本です。
この本によると、2週間の強化プログラムで、劇的にパフォーマンスが変わるのだそうです。
どうすれば頭がよくなるのでしょうか?
ではご紹介します!
以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。
目次
頭が良くなる全技術(著者:デイブ・アスプリー、訳:栗原百代)について
脳のエネルギーを回復して、パフォーマンスを上げる
体のほぼ全細胞の中にはミトコンドリアというバクテリアの微細な子孫が数百〜数千個はある。人間の体を支えるエネルギーはこのミトコンドリアで生成されている。
ミトコンドリアの数、効率、強度によって今の知力がどれほどあるかが決まり、またミトコンドリアが過度の要求を受けているという最初の兆候が「疲労」。疲労はパフォーマンスの大敵である。
「強靭で回復力の高い脳」をつくる4つのステップ
1.「脳を弱めること」をやめる
個人的なハイリスク要因をさぐりあてて、生活から排除する
2.「もっと多くのエネルギー」を加える
ミトコンドリアがエネルギーを作るには酸素と、さらにグルコース(ブドウ糖)または脂肪(ときにはアミノ酸)が必要。
3.エネルギーの「生成と分配の効率」を高める
4.「ミトコンドリア」を強化する
ミトコンドリアの不調を占める4つの症状
1.栄養不足
「最高の栄養」を摂取する。
ミトコンドリアには可能な限り高品質の原料を与える必要がある
2.ホルモン不足。
「ホルモン値」を最適化する。
本書は、ホルモン値を最適化し、血糖値を安定させるのに役立つ。
3.有毒物質
毒を「回避」し「解毒」する。
体内に抗酸化物質がないと、体は酸化ストレスを受け始める。酸化ストレスはミトコンドリアに問題があるしるしであり、科学者は多くの病気の原因と考えている。
グルタチオンは酸化ストレスのダメージに対する主要な防衛線として働く抗酸化物質だが、体内で充分な量が作れないときがある。
4.ストレス
「適度なストレス」を維持する。
身体的・精神的な種類のストレスは、副腎にコルチゾールを放出させる。コルチゾールは、血糖値、代謝、免疫反応、炎症、血圧、中枢神経系の活性化のコントロールを助けるホルモン。
ミトコンドリアには有益なレベルのストレスをかける
「正しい脂肪」は、記憶力と認知力を上昇させる
コレステロール不足は認知機能と記憶力の低下につながっている。
脳は全身のコレステロールの25%を含有し、そのコレステロールが最も多いのはミエリン(全コレステロールの5分の1)。
ミエリンは脂肪(特に飽和脂肪、コレステロール、オメガ3脂肪酸、少量のオメガ6脂肪酸)でできている。充分で正しい脂肪を食べることは、ミエリンを管理し、脳のシグナルを迅速かつ有効に保つために極めて重要である。
「脳の燃料」をコントロールする健康的で有益な食品
<ポリフェノール>
1.「腸」を守る
腸管内の健康的な細菌の量を増やし、悪玉菌の成長を抑制する。
2.「神経発生率」を高める
脳由来神経栄養因子(BDNF)と神経成長因子(NCF)の濃度を高める。これらは両者とも神経発生を促し、新しいニューロンを死滅から守るタンパク質。これらが増大すると、学習能力、記憶力、思考力が改善されることも証明されている。
3.細胞に「生きるか死ぬか」を命じる
古かったり傷ついていたりする細胞の突然変異を防ぐ細胞シグナルを促す
4.「炎症」との闘いの力になる
腸で善玉菌を養うことで、炎症から脳を守り、血中の炎症性物質サイトカインの量を抑制する
高濃度で有益なポリフェノールを含むもの
1.コーヒー(高山地の単一農園で育った水洗式のもの)
2.チョコレート(「カカオ85%以上」「ヨーロッパ産」)
3.ブルーベリー
4.ざくろ
5.ぶどうの種や皮
<「神経伝達物質」をパワーアップさせるもの>
1.ドーパミン
充分なドーパミンをもつことは、意思決定やパフォーマンスに肯定的な影響をもたらす。
ドーパミンはタンパク質の基本成分、アミノ酸(「L-チロシン」と「L-フェニルアラニン」)でできている。
2.ノルアドレナリン
とっさの行動や新しい記憶の形成を助ける。
ドーパミンはノルアドレナリンの前駆体で、その変換過程にはアスコルビン酸(ビタミンC)が必要となるので、毎日たくさんの青物野菜を食べるか、ビタミンCのサプリメントを摂取することが大切。
3.セロトニン
気分を落ち着かせる抑制性神経伝達物質。適度なセロトニン濃度は良質な睡眠のためにも重要。
4.L-トリプトファン
セロトニンを生み出すために体に必要な前駆物質
5.アセチルコリン
体温と睡眠のリズムに重要。アセチルコリン値が少ないと、日中は疲れやすい。
この前駆体にはL-カルニチンとコリンがあり、一緒に摂取すると人体に吸収されやすい
6.GABA(ガンマアミノ酪酸)
脳を落ち着かせる抑制性神経伝達物質。不安を軽減する能力もある。
前駆体はL-グルタミン。
効果的な食材
L-チロシン | 天然もののサケ、サーディン(マイワシ)、ベーコン、ビーフ、レバー、アーモンド |
L-フェニルアラニン | ビーフ、チキン、ターキー、アボカド、アーモンド |
L-トリプトファン | ラム、ビーフ、チキン、ターキー、天然もののサケ、サバー、カシューナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ |
L-カルニチン | ビーフ、ラム、ポーク |
コリン | 卵の黄身、ビーフ、レバー、天然もののサケ |
グルタミン | ビーフ、ラム、チキン、ターキー、天然もののサケ、卵、臓物 |
安定した脂肪
ヘルシーな脂肪を食べるほど、脳は効率的に動くし、コレステロールは「健康の的」ではない。
中鎖中性脂肪産トリグリセリド(MCT)や飽和脂肪、一価不飽和脂肪など。
<飽和脂肪>
1.グラスフェッドの脂肪と肉(鶏の脂肪はいまいち)
グラスフェッド牛より多くのヘルシーなオメガ3と共役リノール酸をもっている。
共役リノール酸は、脳機能を改善し、体重を減少させ、がんのリスクを低下させる。
グレインフェッドよりもグラスフェッド肉の方が、オメガ6とオメガ3のバランスがよく、全体的に健康な脂肪を持っている。
2.放し飼いの鶏の卵黄
通常品の卵と比べて2倍近いオメガ3を含んでいる
<一価不飽和脂肪>
1.オリーブオイル(ただし熱してはいけない)
ただし、ギーやココナッツオイルよりも不安定
<オメガ3脂肪酸>
1.天然物のシーフード(低水銀で高栄養なもの)
天然ものは、ヘルシーな脂肪、主要栄養素、ミクロミネラル、抗酸化物質の含有量が多い。
サーディン(マイワシ)、紅鮭、アンチョビ(カタクチイワシ)、天然もののマスなどが良い。
2.クリル(オキアミ)オイル
ミトコンドリアの働きを改善する強力な抗酸化物質「アスタキサンチン」を含んでいる。
脳をダメにする食べ物
・トランス脂肪酸
・乳製品(ミトコンドリアの劣化)
・グルテン
・植物油
・保存料や殺菌剤、人口調味料や人口調味料など
・ドライフルーツ(糖が多すぎる)
・ワインやビール
良い脂肪の調理方法は、「茹でる」「蒸す」(揚げたり、強火でジュージューはNG)
脳の老廃物を掃除する睡眠
日中に絶好調でいたければ夜により良く眠ること。
これは必ずしも長時間を意味しない。約6時間、もしくはもっと短い時間でも元気を回復できる。
睡眠が大事なのには数多くの理由がある。
一つは睡眠中に「成長ホルモン」の生成を増大するこれは神経発生とミトコンドリアの成長を促すホルモンである。
もう一つは、睡眠中に脳細胞間の結びつきを強め、脳に経験を処理させ新しい記憶を強固にすることで、記憶を改善すること。
睡眠の改善の手助けになるのは、正しい光への曝露や、夜間の週間をの調整、ストレス対策など。
脳にベストな運動(運動はミトコンドリアの健康を促進する)
高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、強度の高い猛烈な運動と、短時間のアクティブな休息を交互に行なう。60秒ダッシュして30秒歩き、60秒腕立て伏せをして30秒歩く、など。
HIITの良いところは効率が良いこと。とても短時間で驚くほどの運動ができる。
インターバルトレーニングは心臓にとっても良い。
400メートルを全力で走ったら1分歩いて回復というプロセスを走れなくなるまでくり返す。
これらのシンプルで手早い運動で、心機能の健康と頭脳のパフォーマンスが多いに高まるのを経験する。
まとめ
以上が、「頭がよくなる全技術」をまとめてみたものです。
本書は、①脳の働きに関する理論、②それにもとづいた、脳のパフォーマンスに影響をもたらす事象の解説、③2週間の脳の強化プログラム、構成されています。なかでも、主に取り上げられていたのは「食事」でした。
「ポリフェノール」や「GABA」についてはなんとなく聞いたことがありましたが、それ以外のほとんどは個人的にはあまり馴染みのないものでした。食べ物でそんなに!?とも思いましたが、確かに食べるものによって健康状態が変わることがあるので、脳の状態や頭の良さも変わるというのはなんとなく納得ができるような気がします。
2週間、本書ですすめられている生活(食事、運動、その他日々の過ごし方)をするだけで脳が劇的に変化するのだそうです。今回私は食事に関することを主にまとめましたが、この本にはそれ以外の食事に関する知識や頭が良くなるレシピ、運動方法、日光浴をしたりブルーラートを削減したりするなどの日々の過ごし方について本当に詳細に書かれていました。
でも、やってみないとわかりません。
本当に詳しく書かれていたので、メカニズムもある程度理解できて理にかなっているような気がするのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
せっかくの機会なので、食事というところのみに焦点を当てて、2週間この本のオススメする通りの食事メニューにチャレンジしてみました。
2週間レポートは、次回以降の記事でご紹介いたします♪
今回この本を読んで、2週間がんばってみようかなと思えるくらい、自分が食べるものに意識を向けるようになりました。
例えばポリフェノールだと、チョコレートのCMなどで「ポリフェノールが入っている!」と謳っているのを何度も見たのでなんとなく頭に良いのは知っていましたが、実際何が良いのかどう良いのかを知りませんでした。この本を読んで、きちんと知っておくことの大事さを再確認できました。
普段の食生活について見直す良いきっかけになると思うので、みなさんもぜひ手にとって読んでみてくださいね♪
今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介してくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。
書籍情報
書籍名 | HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術 |
著者 | デイブ・アスプリー(Dave Asprey) IT起業家、マーケター、投資家、そして自分の心身を劇的に改造したバイオハッカー。シリコンバレー保健研究所会長。ウオートン・スクールでMBAを取得し、eコマースを史上初めて行うなどシリコンバレーで成功するも肥満と体調不良に。その体験から、ITスキルを駆使して自らの体をバイオハック(=数値化&徹底分析)、世界トップクラスの医学博士、生化学者、栄養士等の膨大な数の研究を総合し、自己実験に100万ドルを投じて心身の能力を向上させる方法を研究、現在はブレットプルーフCEOを務める。自らもIQを20ポイント上げ、50キロ痩せたその画期的なアプローチは、ニューヨーク・タイムズ、フォーブス、CNN、LAタイムズ等、数多くのメディアで話題に。ウェブ界の最高権威ウェビー賞を受賞したポッドキャスト「ブレットプルーフラジオ」は5000万ダウンロードの絶大な支持を誇る。著書『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』(栗原百代訳、ダイヤモンド社)は世界的ベストセラー。 |
訳者 | 栗原百代(くりはら ももよ) 1962年東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。東京学芸大学教育学修士課程修了。訳書に『相性のよしあしはフェロモンが決める』(草思社)、『レイチェル・ゾー・LA・スタイル・A to Z』(メディアパル)、『啓蒙思想2.0』『反逆の神話』『資本主義が嫌いな人のための経済学』(NTT出版)、『しまった!』(講談社)など。 |
発行日 | 2018年4月18日 第1刷発行 |
発行所 | ダイヤモンド社 |