モンテッソーリ教育から学ぶ、子どもが自立するために大人ができること(その2)

こんにちは!

前回に引き続き、書籍「マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」のご紹介です♫

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

子どもの「知性」が働く時

「知性」というと、少し難しい言葉のように感じるかもしれません。
モンテッソーリは、子どもの「知性」について、「知性の原点は区別すること」と言います。

子どもは、「同じ」ものを発見すると、それと他のものを「区別」します。
そこから、「分ける」「集める」「比べる」「合わせる」と活動を発展させていくのです。
例)おもちゃを色別に分ける、自分のものとママのものに分ける

つまり、子どもが手を使って「分けたり集めたり比べたり合わせたり」して集中して遊んでいる時は、知性を働かせているということなのです。
特に3歳ごろになると、自分の意思と知性が運動に結びつき、「運動しながら学ぶ」ことができるようになります。
この時期にたくさん手を使い、体を動かして知性を働かせた子どもは、「自分で学び取る能力」を手に入れます。

大人には、前述の子どもの「敏感期を見る目」と、「知性を見る目」が大切なのです。

「活動のサイクル」が子どもを成長させる

子どもは、自分で自由に選んだことは、くり返し、集中してやり抜きます。そして、自分から「これで終わり」とやめるのです。
これを、モンテッソーリ教育では「活動のサイクル」と呼び、このサイクルが子どもを成長させると言います。

<活動のサイクル 4つのステップ>

①自由に(おもちゃなどを)選ぶ
②くり返す
③集中する
④達成感を持って終える(片付ける)

子どもを成長させるこの一連の活動は、子どもにとって「遊び」ではなく「仕事」なのです。
自分の意思で始めた「仕事」を途中で投げ出さず全力を尽くして乗り越え、「できた」という達成感を得た時、その子の本来の善さを発揮するようになります。
子どもは、自分を成長させる「仕事」が大好きなのです。

※モンテッソーリ教育における「仕事」というキーワードは、耳にしたことがある方も多いかもしれません。実際、幼稚園では「お仕事の時間」という、おもちゃ(教具)で自由に遊ぶ(=仕事をする)授業がありました。先生からは、「自分で選んで、自分でお片付けするまでがお仕事」と教わりました。

「自分を成長させる仕事」は子どもによって違います。大人は、子どもがやりたいことを自由に選べるようにサポートし、それぞれのやり方を見せてあげ、集中している子どもの活動を中断せずにそっと見守りましょう。

とはいっても、いつまでも自由に仕事をさせておくこともできませんよね。子どもの「自分で区切りをつける判断力を育てることも重要です。
10分前に終わりの時間を予告したり、「○○まで終わったらやめる」と子どもに選ばせたりするなど、活動のリズムを尊重した声かけをしてみましょう。

子どもの自立を助ける環境作り

前述の通り、子どもは生まれながらに「ひとりでできるようになる」という自然からの宿題をもらっており、「仕事」を通して自分を成長させます。
大人はこのことを理解し、子どもが「仕事」に取り組みやすい環境(=子どもが自立できる部屋)を整える必要があります。

<子どもが自立できる部屋作り ポイント>

①道具が子どものサイズであること
②自由に使える状況であること
③制限があること(数が多すぎないこと)
④秩序があること(置き場所は一定に)
⑤道具や教具が本物であること

このように、子どもが自分でできるような環境を整えたうえで、やり方を「して見せる」努力が必要なのです。

※幼稚園では、背の低い棚におもちゃ(教具)が並べられており、その場所にそれぞれのおもちゃの写真が貼ってありました。(お仕事を終えて片付ける時に、同じ写真のところに片付けるように声かけ)また、ボタンや小豆、お箸など、本物の道具も置いてありました。

子どもの心の声を思い出そう!

大人が子どもの「正しい見方」や「援助する方法」を知っているだけでも、子どもにとって自立するための大きな手がかりになります。それはやがて、主体性を持って人生を切り開く力につながります。

子どもが「ひとりでできるようになる」という自然からの宿題をもらっているのと同様に、大人も「子どもの自立を助ける環境を整える」という宿題をもらっているんですね。

忙しい毎日の中で、時には悩むこともあるかもしれません。そんなときは「ひとりでできるようになりたい!」という子どもの心の声を思い出してみてください。
自分なりに地道な実践を続けていくことで、親も子も輝きはじめます!

まとめ

以上が、「マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」の後半部分をまとめてみたものです。

モンテッソーリのいう「自然の法則」を知れたことで、私自身も子どもとの向き合い方について考えさせられました。
本の中に、「大人と子どもは南極と北極ぐらい離れた世界にいる」という言葉がありました。当たり前のことですが、目の前のことにいっぱいいっぱいになって忘れがちだと気づかされました。

現在イヤイヤ期(いや、敏感期ですね!)真っ只中の息子ですが、大変な時はこの「ひとりでできるようになりたい!」「ひとりでするのを手伝ってね!」の言葉を思い出して、乗り切りたいと思います!

文章の端々に著者の温かい人柄を感じ、育児に悩んでいる親に対する優しい言葉も印象的で、読んでいて勇気をもらえる本です。
よろしければ、手にとって読んでみてください♫

なお、モンテッソーリ教育は、科学的根拠に基づいたものではありません。ですが、一つの考え方として子育ての参考になればど思います。今後NOCCではほかの書籍などもご紹介していくので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

書籍名 マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!
著者 相良敦子(原作)(1937.10〜2017.6)
日本のモンテッソーリ教育の第一人者。九州大学大学院教育学研究科博士課程修了。滋賀大学教育学部教授、清泉女学院大学教授、エリザベト音楽大学教授、長崎純心大学大学院教授などを歴任。日本モンテッソーリ協会(学会)常任理事、東京国際モンテッソーリ教師養成センターなどの講師として講義を担当した。1960年代、フランスで、モンテッソーリ教育を原理とした教育方法であるEnseignement Personnalisé et Communautaireを学ぶ。著書に、『モンテッソーリ教育の理論概念』『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』『お母さんの「敏感期」』『幼児期には2度チャンスがある』『親子が輝くモンテッソーリのメッセージ』『モンテッソーリ教育を受けた子どもたち』など多数ある。                                                

あべようこ(マンガ)
モンテッソーリ教師/教育コンサルタント/保育士。上智大学文学部教育学科卒。国際モンテッソーリ協会(AMI)公認(0-3歳)教師資格取得(東京コース)。モンテッソーリ教育のポータルサイト「イデー・」を運営し、これまでに国内外のモンテッソーリ教育関係者や園の取材を数多く行う。また、モンテッソーリ教育を広めるため、インターネット上でもモンテッソーリ教育をわかりやすく解説した漫画を発表するなどの活動を行なっている。

発行日 2018年6月30日 初版発行
2019年10月10日 4刷発行
発行所 株式会社河出書房新社

 

ABOUTこの記事をかいた人

Matsuda

1児(男の子)のママ。夫の転勤で数年地方で暮らし、昨年大阪へやってきました。慣れない育児や環境の変化に戸惑うこともありますが、周りに助けられながらのんびり楽しんでいます♫ 現役ママ目線で、親子で楽しめるおでかけスポットやお役立ち情報を紹介していきます!

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