モンテッソーリ教育から学ぶ、子どもが自立するために大人ができること(その1)

みなさんは「モンテッソーリ教育」をご存じですか?
最近では、メディアなどでも取り上げられることが多く、聞いたことがある方も多くいらっしゃると思います。

中には、お子さんの幼稚園や小学校を選ぶ際に、モンテッソーリ教育を取り入れているかを重視している方もおられますよね。
しかし、具体的にどんな内容なのか、知らない方はなかなかイメージがつかないのではと思います。

私も、「言葉は聞いたことある」というレベルだったのですが、偶然にも、以前息子と親子教室に通っていた幼稚園が、モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園だったんです。
少しですが実際にモンテッソーリの授業も体験し、勉強になることがたくさんありました!

そこで今回は、その幼稚園の先生にオススメしてもらった、モンテッソーリ教育について知れる、分かりやすく・読みやすい本について、前半・後半の2回に分けてまとめたいと思います。

原作の相良敦子先生は、日本のモンテッソーリ教育の第一人者として有名です。
この本は、その著書の中の『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』を漫画にしたものです。

それでは、ご紹介します♫

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!

モンテッソーリ教育とは?

イタリア人の医学博士であり、幼児教育の専門家であるマリア・モンテッソーリが編み出した教育法のことです。
生理学や生態学に沿った、「自然の法則」にかなった子どもの援助法を提唱しているのが、モンテッソーリ教育です。
この教育法で育った人は、自信を持って、自分で行動することができると言われています。

「ひとりでするのを手伝ってね!」と叫んでいる!

「自然からの宿題」と自立への第一歩

1歳半から2歳ごろになると、子どもの自我が芽生える時期が訪れますよね。
なんでも自分でやりたがったり、言うことを聞かなかったり。そんな経験は皆さんあると思います。

この時期の子どもは、まだ上手く筋肉を動かすことができません。なんでも自分でやりたがるのは、自分の思い通りに筋肉を使いこなせるよう練習したいから。
つまり、「「やりたい」のだけど「できない」」ではなく、「「やり方」が分からない」だけ。
それで、目の前のことに一生懸命になりすぎて他のことが見えていなかったり、言うことを聞けなかったりするんですね。

モンテッソーリは、子どもはさまざまなことを「ひとりでできるようになる」という自然からの宿題をもらっていると言います。
子どもが「自分でする!」と叫び始めた時、子どもは大人にひとりでするのを手伝ってね!」と叫んでいるのです。

自分の思い通りの動きができた時、子どもは「自分は有能なんだ!」「自分でなんでもできるんだ!」と喜びを感じます。
これが、子どもにとって大切な「自立への第一歩」なのです。

黙って・ゆっくり・行動で教える「して見せる技術」

「自分でやる!」と言う子どもに、ついつい「早く!」とせかしてしまったり、代わりにやってしまったりする前に、そっと見守り「やり方」を教えてあげることが大切です。

「やり方」が分からない子どもに「やり方」を教えてあげる時には、言葉で説明するのではなくゆっくり動きを見せるして見せる技術」が必要になります。
子どもは耳と目のどちらか片方に集中した方が理解しやすいからです。

<して見せる技術 4つのポイント>

①して見せる時は、黙ってする
②子どもがやりたがっている活動を、ひとつだけ取り出す
③動作を分析し、順序立てる
・・例)イスを運ぶ時なら、
・・・【イスを持つ→持ち上げる→目的の場所に運ぶ→床に置く】
・・・の4つの動作に分けられる
ゆっくり、はっきり、正確に見せる

この時、子どもの脳では活動の順序を記憶し、組み立てる作業がされています。自分で考え、見通しを立てる能力も育っているのです。

※実際にこの「して見せる技術」は、幼稚園で実践しました。難しそうに見えるかもしれませんが、動作の一つ一つを写真にとるようなイメージで、コマ送りのような動きで少しオーバーにするのがコツかなと個人的に感じました。

「反抗期」じゃなくて「敏感期」?

子どもが何かに強いこだわりを見せたり、些細なことで怒ったりする時期のことを、私たちは「反抗期」や「イヤイヤ期」と呼んだりしますよね。
モンテッソーリ教育では、この時期のことを「敏感期」と呼び、「生きていくために必要な能力を獲得するために、幼少期(一生に一度)だけに現れる特別な期間」と説明しています。
ある特定のものに対して感受性が特別に敏感になり、子どもは次々と新しい能力を獲得していくのです。

大人が「敏感期」について知りサポートすることで、子どもは人生を生き抜く力を身につけることができるのです。
敏感期には様々な段階がありますが、この本では以下の3つについて取り上げられています。

秩序の敏感期(0〜3歳頃)

いつもの場所・いつもの順序・いつもの習慣など、秩序を敏感に捉えて「いつもと同じ」を守ろうとします。
例)いつもの道とは違う道で帰ることを嫌がる

大人はできる限り「いつもと同じ」を心がけることが大切です。
この時期に秩序を乱されずに育った子は、安定した人格を築くことができます。

感覚の敏感期(3〜6歳頃)

五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)が敏感になる時期です。
例)虫などをずっと見続け観察する・同じ食べ物でも、味の違いに敏感になる

大人は子どもが満足するまで感じるのを見守ってあげたり、一緒に喜んだりすることが大切です。
この時期に感覚器官を洗練することは、優れた感性と自信を育てるためにとても重要です。

運動の敏感期(3〜6歳頃)

体を動かす・バランスをとる、手首や腕、指先を使うなど、様々な動きを習得できるよう一生懸命に動きます。
例)歩きにくい所を歩きたがる・重いものを持ちたがる

大人は、まだ危ないからといって代わりにやったりせず、動きの習得をサポートすることが大切です。
この時期にたくさん動いて経験をすると、自分で考え判断して動ける力・頑張りぬく力を身につけることができます。

まとめ

以上が、「マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」の前半部分をまとめてみたものです。

子育て中は、本を読みたくてもなかなかゆっくり読めないですよね。本を読むまとまった時間がない・・・文字ばかりだと疲れてしまう・・・など、特に子どもが小さい時は難しいと思います。(私もです。。)
その点この本は漫画なので、文章ほど読むのに時間もかからないですし、気軽に読んでいただけると思います。

内容のご紹介は、その2に続きます♫

なお、モンテッソーリ教育は、科学的根拠に基づいたものではありません。ですが、一つの考え方として子育ての参考になればど思います。今後NOCCではほかの書籍などもご紹介していくので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

書籍名 マンガ モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!
著者 相良敦子(原作)(1937.10〜2017.6)
日本のモンテッソーリ教育の第一人者。九州大学大学院教育学研究科博士課程修了。滋賀大学教育学部教授、清泉女学院大学教授、エリザベト音楽大学教授、長崎純心大学大学院教授などを歴任。日本モンテッソーリ協会(学会)常任理事、東京国際モンテッソーリ教師養成センターなどの講師として講義を担当した。1960年代、フランスで、モンテッソーリ教育を原理とした教育方法であるEnseignement Personnalisé et Communautaireを学ぶ。著書に、『モンテッソーリ教育の理論概念』『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』『お母さんの「敏感期」』『幼児期には2度チャンスがある』『親子が輝くモンテッソーリのメッセージ』『モンテッソーリ教育を受けた子どもたち』など多数ある。                                            

あべようこ(マンガ)
モンテッソーリ教師/教育コンサルタント/保育士。上智大学文学部教育学科卒。国際モンテッソーリ協会(AMI)公認(0-3歳)教師資格取得(東京コース)。モンテッソーリ教育のポータルサイト「イデー・モンテッソーリ」を運営し、これまでに国内外のモンテッソーリ教育関係者や園の取材を数多く行う。また、モンテッソーリ教育を広めるため、インターネット上でもモンテッソーリ教育をわかりやすく解説した漫画を発表するなどの活動を行なっている。

発行日 2018年6月30日 初版発行
2019年10月10日 4刷発行
発行所 株式会社河出書房新社

 

ABOUTこの記事をかいた人

Matsuda

1児(男の子)のママ。夫の転勤で数年地方で暮らし、昨年大阪へやってきました。慣れない育児や環境の変化に戸惑うこともありますが、周りに助けられながらのんびり楽しんでいます♫ 現役ママ目線で、親子で楽しめるおでかけスポットやお役立ち情報を紹介していきます!

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