歯のトラブル知らずは「3歳までのお口の育て方」で決まる(その2)

みなさんこんにちは!

前回その1ではお口の危険サインを始め、哺乳期や離乳食スタート時に気をつけた方が良いことを紹介させていただきました!

今回その2では歯が生えてきたタイミングから気をつけたほうがよいこと、その他日常生活で気をつけた方がいいことを紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

前歯が揃った時に気をつけたいこと

上下の前歯が揃ったら「前歯で噛み切る」ということを覚えてもらう大切な時期です。食べ物をあまり小さくカットしすぎずに、ひと口では食べられない大きさ、前歯で噛み切ることが必要な大きさにカットしてあげてください。

上下の前歯とを噛み合わせて食べることで、初めて「噛み合わせ」が育っていくのです。

また、この時期に飲み物を飲ませる際には出来るだけ「コップ」で飲ませてあげることをオススメします。ストローマグなどのベビーグッズもたくさん販売されており、とても便利なのですが、ストローで飲むということは、哺乳瓶を使用している時と同じように「吸啜(きゅうてつ)運動」をしている状態です。これは、頬圧がかかり、顎が側方に成長するのを抑制してしまいます。

※吸啜運動とは…授乳時に乳首を吸引することと、その際同時に赤ちゃんの舌や顎などにより乳房や乳首が圧出することの2つの機能によって行われている運動のことを言います。

完全にストローマグを使うな、ということではもちろんありません。子どもにとっても飲みやすいグッズです。だからこそ、できる限りの範囲内ではコップを使用するよう心がけ、ストロー使用の回数は減らしていける事が理想です。

奥歯が生えてきたら始めたいこと

この時期は、ひと口では食べられない&前歯で噛み切ったり、かじったりしなければいけいない大きさで与えるのがポイントです。特にこの時期は「手づかみ食べ」をマスターしておきましょう。

「手づかみ食べ」は様々な発育に良いと言われています。

1.自分で食べる喜びを覚える

これまでは誰かにお口まで運んでもらって食べるということが当たり前でしたが、自分の手を使い、自分で次に食べたいものを選んで、自分のタイミングで食べるということを覚えさせ、自分で食べる喜びを知ってもらうことができます。

2.噛み合わせが作られていく

自分のペースで食べ物を自らの手で掴み、自然に前歯で食べ物を噛み切り、それを舌で奥歯に誘導しながら食べ物を歯の上に乗せてすり潰すということができるようになっていきます。前歯も奥歯も使うことで、咬み合わせがだんだんと作られていく時期です。

かといって、噛みきれないような固すぎるものや繊維の強すぎるものは丸飲みしてしまう危険もあるので、その時の歯の状態や、お子さんの食事の様子を見ながら食べ物の選択をしましょう。

3.感覚や脳が発達する

例えば手づかみ食べで、一口では入りきらないようなものを手に取った時、どうやったらお口の中に入るのだろうか?と自分で考えることができます。「これは大きすぎるから入らない」と理解し、「では、一度前歯で噛み切ろう」という考えに至ります。こういったことから、判断力や対応力といったものが養われていきます。

また、手の力加減の調節や、熱いか冷たいかを手で感じたりと、手づかみ食べをすることによって多くの「インプット」ができるのです。

手づかみ食べの問題点としては、あちこちにこぼしたり、食べ物をポイポイ投げたり、まわりが汚れてしまい、お片づけが大変だというところですよね。それを考えるだけでなかなか出来ずにいる…という方も多くいるかと思います。

しかし、手づかみ食べをさせることは、子どものお口の発達だけではなく、脳の発達にも良いとされているので、「出来れば1日1回」を目安にぜひ始めてみてほしいと思います。1食のうち、何か一つの食材だけ、などの工夫もありだと思います。

幼児食の段階で気をつけたいこと

3歳くらいまでに乳歯はほぼ生えそろい、普通食に近い幼児食の時期に入ります。

しかしこの時まだ、奥歯の噛む力は、体重と同程度の10〜15キログラム程度しかありません。大人に比べるとまだまだ噛む力はとても弱いのです。そのため、「食べる・噛む時間」をできるだけ長く与えるよう意識してあげてください。決して「早く食べなさい」などと叱らないであげてほしいのです。

3歳の場合、咀嚼力がきちんと育たなくなったり、食べ物を丸飲みしてしまうクセがついたりする恐れもあるからこそ、些細なことではありますがとても重要なポイントです。これらは、その後の歯並びや咬み合わせの発育に悪影響を及ぼします。

また、よく噛んで食べることによって、消化されやすくなり、食べ物からの栄養をしっかりと体に吸収できます。

では、どれくらい噛むのが良いのでしょか?
目安としては、ひと口につき20回噛むことが大切です。

「いち、に、さん、し、ご…」といった具合に、噛む回数を数えてあげて、楽しい雰囲気で、ゆっくりと咀嚼できる機会を作ってあげても良いかもしれません。

子どもの姿勢で気をつけたいこと

姿勢の悪さの、歯並びや咬み合わせを悪くしてしまう原因の一つです。

座っているとき

猫背になっていませんか?いつも頬杖をついていませんか?
猫背になって顔を前に向けると、口が開いたままになり、口呼吸になりやすくなります。

頬杖をつくと、下顎に左右のどちらかから力がかかり、咬み合わせのズレに繋がります。

テレビを見ながら食事をしていませんか?

子どもはどうしても、テレビが点いているとそちらに気を取られてしまうというのは想像できますよね。

顔を常にテレビの方向を向いている状態で食事をすると、片側の歯ばかりを使うようになります。咬み合わせのズレが生じるのを防ぐため、食事中はなるべくテレビを消して、家族の団欒の時間にしましょう

「うつ伏せ寝」「横向き寝」「いつも同じ方向から抱っこされて寝ている」

うつ伏せ寝の場合、下顎が押されてしまい、歯並びに影響が出てしまいます。できるだけ仰向けになるようにサポートしてあげてほしいと思います。

横を向いて寝ている場合は、咬み合わせのズレに繋がります。いつも同じ向きにならないようにしましょう。

いつも同じ方向から抱っこされて寝ていると、下顎がズレやすくなってしまうため、時々向きを変えるようにしましょう。理想は、仰向けに寝るのがベストです。

小さい子どもは体が柔軟で、「こんな寝方苦しくないの?」と疑ってしまうような寝方をしている時もあります。子どもが寝ている姿を、たまにチェックしてみてください。

歯磨きのアドバイス

みなさん、いつから歯磨きをスタートさせればよいと思いますか?
実は、歯が生える前からできることがあるのです。

歯が生える前にできる事

自分の手やおもちゃを口に持っていくようになったら、お口や手指の発達に非常に大切な時期に入った合図です。この時期から、親からも赤ちゃんのお口周りへのスキンシップを積極的に行いましょう。例えば、授乳後や入浴後に、ぬるま湯に浸したガーゼでお口の周りや中を優しく拭ってあげたり、歯茎をマッサージしてあげるのもよいです。

前歯が生え始めたら

授乳後や離乳食後に歯ブラシでのケアを始めましょう。「ごはんを食べたらごちそうさまだよ」と同じように「ごちそうさまのあとは、お口を綺麗にするんだよ」と歯ブラシで歯を磨く習慣をつけましょう。

本人磨きスタート

歩けるようになった頃から、自分で磨く練習もゆるりと始めましょう。最初は歯ブラシを噛むだけになってしまっても大丈夫。もちろんその自分磨きでは、ほとんど歯垢は取れていないので、大人の仕上げ磨きは必須です。この時、仕上げ磨き用の歯ブラシは別に用意しておいてください。

2歳になったら

2歳前後からうがいの練習を始めましょう
お口の周りの筋肉を使うことになるので、歯並びや咬み合わせにも関わってきます。子どもは大人の真似っこが大好き。それを利用して、まずは大人がお手本を見せてあげてください。

その間、イヤイヤ期などもあり大変な時期でもあるかと思いますが、根気強く続ければ、必ず理解してくれる日はきます。幼少期の歯磨きの習慣は、健康なお口づくりの大切な基礎となります。その基礎をしっかりと守っていきましょう。

まとめ

以上が、『「一生使える歯」は3歳までのお口の育て方で決まる』をまとめてみたものです。今回ご紹介した内容は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

その1から通して、さまざまな事例などをご紹介してきましたが、全部頭に入れて、全部やり通すのはなかなか難しいですよね。「できるだけ歯に良いことをひとつでもいいからやってみよう」その気持ちを持つことが、まずは一番大事なのかもしれません。

これはこの記事の筆者の体験談ですが、歯並びが悪く小学校6年生の時から矯正を始めました。今思えば、猫背という姿勢の悪さに加え、頬杖をついていたり、うつぶせ寝を好んだりと、姿勢の悪さを始め、ゲーム等で下を見る日々。ここに書かれている要注意ポイントをほぼ自分に課していたような気さえします。

そんな生活が原因だったのでしょうか…
せっかく矯正で直した歯並びも一部ズレが生じてしまったのです。このように私自身、昔から歯のトラブルが絶えずだったので、我が子には同じような思いをして欲しくないという強い気持ちで今後はこの本を片手に我が子のお口環境と向き合っていきたいと思っています。

今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介してくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。

書籍紹介

書籍名 「一生使える歯」は3歳までのお口の育て方で決まる
著者 竹内敬輔
医療法人きらめき理事長。これまで19年の矯正治療経験でインビザライン1000症例を含む4000症例(2019年12月現在)を手掛けつつ、2017年、2018年、2019年の3年連続でダイヤモンドステータスを保有し、国内外にて講演活動を行っている。
発行日 2020年9月10日
発行所 株式会社PHP研究所

ABOUTこの記事をかいた人

Yanagibashi

2019年に娘が誕生!新米ママとして日々奮闘中です。知育やモンテッソーリ教育などに興味があり、我が子が将来色んな選択ができるような子育てをしたいという目線で様々な育児書を参考に記事を書いていきます!

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