親子でできる♪子どもの運動能力を伸ばし方とは?

こんにちは。

今回は、「親子でできる子どもの運動能力の伸ばし方」について書かれている書籍をご紹介します。

みなさん、もしくはみなさんのお子さんは、運動は得意ですか?
運動を始めるときは、難しかったり慣れなかったりして、運動は苦手だなと思ったことはないでしょうか?著者は、運動が苦手だったにも関わらず、あるきっかけを元にスポーツの先生にまでなった方です。

本書は、子どもを運動好きにする方法子どもの運動能力を伸ばすコツを解説しています。
運動ができると自分を好きになり、自分に自信が持てるようになると思います!
こちらの記事からお子さんの運動能力向上の役に立てるようなヒントがあったら嬉しいです。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

子どもが変わる 運動能力を伸ばす育て方

1.はじめに

本題に入る前に、まずは昨今の子どもの運動能力低下に関する知識から整理していきましょう。

  • 子どもたちの運動能力が年々低下していることは有名ですね。
    その要因として、加速する受験競争、食生活の欧米化による肥満児の増加、思いっきり外遊びをする場所の減少、不審者の増加により子ども達だけで遊ばせることができなくなった環境変化などが挙げられます。                           

    確かに、近くの公園や広場を見ても、ボール遊びやスポーツの道具の使用を禁じている公園や、怪我やトラブルの原因とされ昔あった遊具が減少している傾向が多く見られるように思います。

    また、高齢化社会のため、今までなかったストレッチ健康器具が増えてきているようにも思います。このことから私は、子どもたちが公園や広場で思いっきり体を動かす・誰かがやっているスポーツを見て真似ることができなくなってきていることが、現代の運動能力低下に繋がっているのはないかと考えました。

  • さらに、親の運動に関する知識不足についても指摘しています。
    例えば、スイミングの習い事をさせている親が「スイミングさえしていれば運動能力は伸びる」と勘違いしている傾向があるということです。つまり、「運動=スイミング」ではないという認識を持ってほしいようです。          

    もちろん、たまたま子どもがやりたいこと・得意で好きなことがスイミングだったら全く問題ないのですが、スイミングで伸びる運動能力はほんの一部で、その他にも“身体操作能力”や”空間認識能力”など様々な要素から運動というものが成り立っていることを認識してほしいのだそうです。 

    私は、昔よりも今は教育熱心な親が増え、習い事ブームが加速しているように思います。また、私が個人的に感じていることですが、核家族が増え共働きが当たり前になり、子どもとの十分な親子時間が取れなくなってきていることから、習い事で運動能力を向上させようと考えている風潮があるように思います。

  • 中でも特筆すべきは、学校での体育時間の減少だと指摘しています。
    土曜日が全休になり授業時間は減るのに、教科内容は変わらないため体育の時間が減り、17時以降はグラウンドが使えないため居残り練習はできないなどの理由から、体を動かす機会が減ってきていることが挙げられるようです。

2.子どもを運動好きにするコツ

子どもの発育・発達の特徴として、ゴールデンエイジと呼ばれる、3歳〜12歳の幼稚園から小学校にかけての時期が、一生の中で一番、動作の習得に特化した時期なのだそうです。この発達が著しいゴールデンエイジに、総合的で適切なトレーニングを行うことで、運動能力がぐんと伸びていくのです。

著者は運動を始めるのは早ければ早いほど良いと断言します。なぜなら個人差はありますが、生まれてから12歳までに神経系の95%程度の発達がピークを迎えるためです。(スキャモンの発達曲線より)
また、著者の持論として、どんな子どももある程度の運動神経は備えて生まれてきていると考えています。

そこで、この章では、子どもが運動を好きになるコツをいくつかまとめてみましょう。

  1. 大好きな先生を見つける
    スポーツマンとしての挨拶・礼儀が徹底されており、怪我をしない運動指導を行うことができること。また、スポーツをするなかで育まれる多くの仲間との交流や、家族や環境への感謝を伝える指導者が良いでしょう。   

    保護者が気をつけることは、そうした先生との考えをすり合わせること。尊敬している先生と尊敬している両親、2つの存在が違う意見を持っていたら、子どもは混乱してしまうからです。先生に意見を合わせる必要はなく、子どもを中心として、よく意見交換をすることが一番良いようです。

  2. 運動に必要な3つの能力を伸ばす
    子どもの運動能力を伸ばすために必要な3つの能力とはずばり、バランス力・瞬発力・持続力の3つです。          

    ・体の中心である体幹を軸としてバランスをとったり、機敏・巧みに動けるようにするバランス力
    ・筋肉の力を瞬間的に発揮し、運動のスタートとゴールの時間を短くするための瞬発力
    ・運動を行っている時間の中で、最大パフォーマンスを維持するに必要な持続力

    上記3つを伸ばすためのエクササイズやコツは、第3章でまとめています。

  3. 親の理解が必要
    運動能力を伸ばすには、運動能力の遺伝率は10~20%にすぎないため、環境的要素や後天的要素が大きく影響します。そのためには、親が良き指導者となり、子どもと一緒に運動することが一番良い方法なのです。そうして、子どもは運動を好きになり、得意になっていくのです。

子どもの運動能力を伸ばしたい・運動好きにさせたかったら、まずは親子で遊びながら運動に親しみ、一緒に体を動かすことから始めると良さそうです。

3.運動をする上で欠かせない3つの力とは

運動する上で欠かせない3つの力とは、上記に挙げた通り、バランス力・瞬発力・持続力のことです。ここでは、これらを鍛えるエキササイズや簡単な運動を紹介しています。

  1. 瞬発力
    「じゃんけんダッシュ」…二人で向かい合って3〜5m程離れて位置を決める。じゃんけんして勝った方はその場で”気をつけ”、負けた方は相手の後ろを周って元の位置までダッシュする。
    回数や時間を決め勝敗を決めても良いし、単純に瞬発力を鍛えるトレーニングにも応用できます。                   

    「リアクションダッシュ」…スタート地点を決めて様々な態勢でフリーズする。(※フリーズするときに目を瞑ると集中力が高まります。)
    合図を受けたらゴールまで一気にダッシュする。ビーチ・フラッグ競技に似ています。
    スポーツ競技のトレーニングにも応用され、瞬発力や敏捷性を高めるのに最適です。

  2. バランス力
    「バランス相撲」…お互いが立ったまま至近距離で向き合い、両手を出してパチンパチンと打ちあったり、手を引いたりして相手のバランスを崩し、倒れた方が負けという遊びです。
    大人と子どもでやるときは、大人は手を押すのではなく、引いて子どものバランス力を高めてあげると良いです。
    後ろを向いてお尻で押し合ったり片足で立ったり、バリエーションを増やすと楽しめます。
  3. 持続力
    持続力の中でも心肺機能を高め運動を長く続ける全身持続力と、筋肉を長時間動かす筋持続力がありますが、小さい頃は後者の筋持続力を高める方が良いでしょう。          

    「お尻歩き」…家の中でもできる簡単なエキササイズです。お尻を床につけ、足を伸ばしてお尻だけで前後に動く運動です。腕を振るのは構いませんが、足の力を使ってはいけません。コツはお尻を片方ずつ浮かせて移動することです。

その他、運動を続けるコツはほめることだそうです。よく似ているのですが、褒めることとおだてることは違うそうです。「ほめる」とは子どもをよく観察し、子どもの良い面を引き出すために単純に褒めること。対して、「おだてる」とは親側の捉え方からくる褒め方で、親自身の理想を押しつけ褒めることを指すとのことです。
褒め言葉ひとつで、子どものやる気や成長を高める可能性があるそうなので、この本を読みぜひ褒め上手になりましょう。

まとめ

以上が、「子どもが変わる運動能力を伸ばす育て方」をまとめてみたものです。

小学生のお子さんをお持ちの方は、小学校から始まる新体力テストで測られる「握力」「反復横とび」や、体育の授業で必須な「逆上がり」「かけっこ」「縄跳び」「とび箱」などの詳しいコツや攻略法が記載されているので、ぜひ本書を読んでみてください。きっと為になること間違いなしだと思います!

この本を読んで私は、子どもが小さい内から運動能力を伸ばすエクササイズや取り組みがあることを知り、「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、身体作りの一環として、本書のエクササイズを実践したいと思いました。また、小学校の体育の授業で必須項目となる運動能力は、早くから親子で取り組みたいとも思いました。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?
そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名 子どもが変わる 運動能力を伸ばす育て方
著者 伊藤 一哉

福岡を中心に、全国でも数を見ない「自信を育むための運動教室」を展開する「グラッチャ子ども運動トレーニングセンター」代表。これまでにサッカー、体操、空手、テニス、スポーツ家庭教師などさまざまな運動教室の運営に携わり、指導してきた生徒は1000 人を超える。また、「指導に自信を持つ指導者を輩出すること」を目的とした学生のキャリア形成にも力を注ぎ、本物の指導が多くの子どもたちに届くように活動している。
福岡大学スポーツ科学部健康運動科学科スポーツ心理学専攻。小学校から大学までさまざまな競技種目を経験し現在にいたる。中学体育教師の親を持ち、運動へのコンプレックスから幼少期は大の運動嫌い。スポーツを楽しむというちょっとしたきっかけにより、自身の運動嫌いが変わったことから、世の中すべての子どもたちが運動好きになれるという強い想いを持っている。指導は熱血、子どもたちの運動能力を伸ばすことはもちろんのこと、挨拶・礼儀・チームワークなどが身につく指導を行い、保護者から絶大な支持を受けている。

発行所  フォレスト出版
発行日 2016/08/19

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です。
いただいたコメントの内容はすぐには公開されませんのでお気軽にどうぞ。非公開をご希望の方はその旨お伝えください。