勉強ができて人に好かれて心の強い子に育てるには?(その1)

みなさんこんにちは。
今回は、これからの将来、世界標準となるハイブリッド型の子育てを紹介します!
タイトルを見て、そんな完璧な子どもが育つわけないと思いませんでしたか?
最初は私もそう思いましたが、この本を読んで少し肯定的に捉えることができました。

この本は、著者が仕事柄見てきた世界中の子育て日本人向けにアレンジし、独自の教育プログラムや、各国の子育て・教育事情が記載されています。

その1では著者の考える「世界標準の子育て」の根幹となる3つの条件自信」「考える力」「コミュニケーション力」を説明し、さらにこれらを子どもに身につけてもらう為に具体的に何をすればいいのか、0~6歳、7~12歳、13~18歳の3つのライフステージに分け実践の仕方を紹介していきます。

その2では、世界各国の子育てや教育事例を比較し、日本の多くの親がやっているけれど実は子どもに悪影響なやってはいけない7つのこと」を紹介します。日本で子育てする上でも、このことはぜひ知っておくべき情報です!
それでは早速始めていきましょう。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

世界標準の子育て

「世界標準の子育て」とは、つまりどんな能力を伸ばす子育てなのか。その能力を3つに絞り紹介していきます。

1.自信

子育ての3つの条件の中で最も大切なのが「自信」です。子どもの自信を強くすることができれば、子育ては90%成功したといっても過言ではない、と著者は断言しています。

それもそのはず、自信を身につければ、「自分はできる!」と自己肯定感が増し、挫折に耐えうるタフネスさ(忍耐力)によって、どんなことが起こっても子どもなりに対処できるはずですよね。

そんな自信はどこで身につければいいのか。それは、子どもが自分の意思で物事を取り組んだ時に感じる「自分の力でできた!」という成功体験に基づいて生まれるのです。子どもの自主性を尊重して、子どものやりたがっていることをやらせてあげるのが良いのです。ほんの少しでも自分で考えてできたことは、その子の成長の証。しっかり見守り褒めてあげましょう。

しかし、日本では「集団のルールや秩序」を重んじ、世話好きが高じて「過干渉」によって子どもから自由を奪っていることが多く見受けられませんか?これらは、子どものやる気を奪い自信を減退させてしまう恐れがあります。

子どもの自主性を尊重しつつ、しつけや危険回避のために行動を制限する、この「自由と制限のバランスがとても大事になります。海外では子どもが公共の場で騒いでしまったら、即座に子どもをその場から連れ出し、毅然とした態度で行動を非難するそうです。これは、人前で叱らないことで子どものプライドをつぶさないためだそうです。

日本では人前ですぐに子どもを注意し、周りの目を気にする親が多いように感じます。もしくは、何も気にせず全く注意しない親もいますが、それもまた違うと思います。

私は、子どもの「自信」を育む為に、最低限の命の安全や社会的規律を守り子どもの「できた!」を褒めて認めてあげるのが一番良いのではないかと感じました。

2.考える力

考える力とは、「自分の判断で人生を切り開いていくための力」です。
日々情報が更新され、常識を覆すような事柄が次々と生まれるこの時代に必要なのは、それらが正しいのか有益なのか、自分の知識や経験から判断して見極める力が重要になっていきます。

これからを生きる子どもたちは、これまでの常識や価値観の中で生きるのではなく、自分の人生を自分で開拓しなけれなならないのです。それにはまず、自分の強みを知り、どんな人生を歩みたいのか、それを実現するにはどう行動すべきなのかを「考える力」が必要です。

そのためには、「答えのない問題」に取り組むのが重要になります。学校で習う「答えのある問題」を解く勉強ではなく、問題を発見する力解決する力を磨く必要があります。数値で評価できる知識や技術を「ハードスキル」というのに対して、明確に数値化できない技術や能力を「ソフトスキル」と言います。このソフトスキルは論理的思考力批判的思考力分析力などを指し、今教育現場でいかに育成していくかが課題となっている力です。

私は、この「考える力」を育む為に、子ども自身が「自分の強み」を知り、どんな人生を歩みたいのか、それを実現する為にはどう行動すべきなのか、「答えのない問題」に対して子どもなりに考えた結果を、肯定しサポートするのが一番良いのではないかと考えました。一緒に考えるのでは、親の意思や考えが影響してしまいますから、それは良くないですね。子どもが考えたことを家族で共有し、協力するのが親の努めだと思います。

3.コミュニケーション力

日本人のコミュニティであれば、例えコミュニケーション力がなくても、同じ価値観や思いやりによって通じるものがありますが、これからを生きる子どもたちにとって、対話力はなくてはならない能力となります。日本にいたとしても、多様な文化や考え方に順応していかなければならないからです。

このコミュニケーション力を磨くのは難しくなく、親が子どものお手本となるよう教え導けば良いのだそうです。例えば、「笑顔で相手の目を見て挨拶する」や「人の話を遮らずに最後まで聞く」など、基本的な人付き合いのルールを知っていれば、世界共通のコミュニケーション力は育まれます。

子どもは親と自分の考えや気持ちを共有したいと心から望んでいて、親の真似をしたがります。表情、しぐさ、話し方、身振り手振り、全て親子でそっくりなことが多いですよね。親が良い手本を示せば、子どもにも良いコミュニケーション力が身につくのです。

私は、この「コミュニケーション力」を育む為に、親がまず話し方・言葉を再確認し、省略言葉や否定的な言葉を控えるよう意識するのが一番良いのではないかと思いました。子どもはそのうち、そんな親を見て、真似て、基本的な質の良いコミュニケーション力を身につけてくれると思います。社会を構成する最小コミュニティは家族ですから、まずは家庭で改善するのが手っ取り早いですよね。

「世界標準の子育て」では以上、3つの力を養うことが大切でした。
それでは、その力を身に付ける為にはどう育てれば良いのか、以下詳しく見ていきましょう。

4.自信の育て方

①0〜6歳:「根拠のない自信」を育てる

根拠のない自信は親が100%与えるもので、無償の愛大切にされた経験などスキンシップが必要です。1才からはお手伝い感謝されることの喜びを感じ、誰かの役に立ったという自信を育むと良いでしょう。

②7~12歳:「根拠のある自信」を育てる

小学校で競争にもまれ、勉強以外の何か好きなことを継続することで自分の強みに気付き、たくましい心を育てることができます。著者自身は学問に競争は不要(テストの順位や友達と点数を競争するなど)と考えているようですが、課外活動(習い事やスポーツ)で競争することは必要と考えているそうです。子どもの個性や強みを知る事が自信につながり才能を開花させるのです。

③13~18歳:自信を「確信」にする

この時期はホルモンバランスが崩れることもあり、情緒や生活リズムが不安定になりがちです。親は子どもの環境や仲間を観察し、今よりレベルの高い環境に子どもがチャレンジできるよう見守る必要があります。子育てにおいては、結果に寛容で、努力することに意義があるという態度を保ちましょう。

5.考える力の育て方

①0~6歳:「言葉の力を強固」に育てる

言語力は6歳までが勝負であり、特に幼児期は母親の語りかけが重要です。絵本の読み聞かせは0歳から始め3歳からは質問しながら読み聞かせをする。(あくまで本が嫌いにならないよう、読むジャンル難易度に注意します。)3~4歳から遊び感覚で「五十音」を教え、子どもが自分で本を読めるようになっても、読み聞かせは継続すると良いでしょう。

②7~12歳:「自分で考える力」を育てる

7歳~9歳までは多読(月4~5冊)を習慣づけ10歳からはノンフィクションにもチャレンジさせます。小学校4年生以降は、新聞記事を親子で読み、意見交換をします。明晰に説明する力を伸ばす為に「曖昧な言葉には突っ込む」「言葉のゲーム」をすると良いでしょう。

③13~18歳:「選択する力」を育てる

「自分にとって良い選択とは何か?」を考えながら生活するようにアドバイスします。子どもの強みや長所を伝え、同時に子どもが「本当にやりたいこと」を見つける為に機会を用意する手伝いをします。できたらディベートを家庭にも取り入れることで、論理的思考と人を受け入れる力を育むのも良いでしょう。

コミュニケーション力の育て方

①0~6歳:「人と関わる力」を育てる

赤ちゃんとたっぷりコミュニケーションをとり、2歳からは「ごっこ遊び」をして言語力と思考力を育てます。子どもに共感笑顔で接し、たくさん笑わせることで感情豊かな子に育ちます。子どもの話を最後まで遮らすに聞くことで、「話す力」「聞く力」の両方が育ちます。

②7~12歳:「幅広いコミュニケーションがとれる力」を育てる

習い事は個人活動よりも集団活動が良く、特に演劇はコミュニケーション力を鍛えるのに最適なんだそうです。子どもを子供扱いせず、一人の人格者として扱い、地域活動や大人のコミュニティに参加させるのも良いでしょう。

③13~18歳:「世界標準のコミュニケーションがとれる力」を育てる

観光ボランティアやゲストハウスのイベントなどを活用して、家族で国際交流を体験しましょう。海外留学を半年〜1年間経験させることが理想です。とはいえ、日本の大学内でも国際交流は十分可能なのでリサーチして自ら交流機会を掴みましょう。

まとめ

以上が、「世界標準の子育て」をまとめてみたものです。

この本を読んで私は、学力やコミュニケーション能力などをひっくるめた「総合力」がとても大事だと感じました。ただ単に勉強ができる、人を笑わせることが上手なだけでなく、小さい頃からの愛情や成功体験の積み重ね自信に結びついて「豊かな人間力」が備わったとき、「世界標準の子育て」をしたと言えるのではないかと思いました。

副題にもある通り、「勉強ができて人に好かれて心の強い子が育つ」のは、単なる夢物語ではなく、子ども本人とその家族の自発的な行動強固なが必要だと感じました。

その2では、世界各国の子育てや教育事例を紹介しているので、ぜひ続きもご覧ください。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名 世界標準の子育て
著者 船津 徹

1966年福岡県生まれ。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である七田眞氏に師事、英語教材の制作などを行う。その後独立し、米ハワイ州に移住。英語力、コミュニケーション力、論理思考力などを伸ばす独自の教育プログラムを考案し、2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立。校長として教鞭をとりながら、2017年までに延べ4000名以上の子どもの教育に携わる。卒業生の多くはハーバード大学、イェール大学、ブラウン大学、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールを始めとした世界各国の最難関大学へ進学し、グローバルに活躍。その実績が評判を呼び、現在ではハワイに住む経営者、スポーツ選手、アーティスト、芸能人などの子どもが順番待ちとなる人気を博している。2015年にカリフォルニア州トーランス校、2017年に中国上海校を設立。また、独自開発した教材は全米25万名の教師が加盟するアメリカ最大の教育リソースサイト「OpenEd」による「最も効果がある教材部門」で第2位を獲得した。
プライベートでは米ドラマ「LOST」の出演俳優であるダニエル・キム氏、イアン・キュージック氏らとバンドを結成するなど、音楽や演劇を通して各国の一流人と交流を重ねている。

発行所 ダイヤモンド社
発行日 2017年07月05日

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