世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方とは?(その1:モンテッソーリ教育、シュタイナー教育)

みなさんこんにちは。
今回ご紹介する本は、世界2大教育法と呼ばれるモンテッソーリ教育シュタイナー教育、さらにレッジョ・エミリア教育ドルトンプラン教育サドベリー教育フレネ教育イエナプラン教育の5大教育を詳細にまとめています。

これら7つの教育は、欧米では「オルタナティブ教育」と呼ばれてます。オルタナティブとは「別の選択肢」という意味で、今までの詰め込み画一的教育に相対する教育法です。その他「プログレッシブ教育」とも呼ばれています。

著者はこの本を3つの役割があるとしています。

  1. 世界の教育の多様性を知り、子どもの学校選びに生かす
  2. 子育ての参考にこれらの教育法の視点を取り入れる
  3. 社会の一員として多くの教育法を知り、日本の教育を変える心の準備ができるようになる

様々な立場の読者がこの本を活用できそうですね。それでは、各教育法について詳しく見ていきましょう!

その1ではモンテッソーリ教育とシュタイナー教育をご紹介いたします。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書

1.モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育の概要

創始者
おいたち
マリア・モンテッソーリ イタリア初の女性医師 1870〜1952
モンテッソーリ教育は、彼女が精神に障害を持つ子どもを観察することで発達の法則を見出し、1907年にローマの貧民街で「子どもの家」を開設したのが始まり。実地的に新しい教育法を考案した。
理念・スローガン 自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる。
特徴・キーワード 子どもには自らを成長させる「自己教育力」が備わっている。子どもはその時々に自分にとって必要な活動を自発的に選択することができ、それを「敏感期」と呼ぶ。適当な活動に取り組んでいると「集中現象」が生じる。
モンテッソーリ教育を行う教育施設では、異年齢混合クラスで、子どもたちが自発的に自らの敏感期に応じた「おしごと」をそれぞれ選択して行う。
著名人 藤井聡太(プロ棋士)、バラク・オバマ(元アメリカ大統領)、ビル・クリントン(元アメリカ大統領)、ヒラリー・クリントン(政治家)、ウイリアム王子(イギリス王室)、ヘンリー王子(イギリス)、ピーター・ドラッカー(経済学者)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)、ラリー・ペイジ(グーグル創業者)、セルゲイ・ブリン(グーグル創業者)、ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)など

マリア・モンテッソーリは知的障害のある子どもたちが、知的好奇心に従って行動していることを発見し、子どもの成長の適した物を与えることで子どもたちの才能と個性を解放しました。また、時間をかけて子どもを観察することで「自ら自分の力で育てていく力が備わっている」ことに気がつきました。これが「自己教育力」です。

従来の子どもを管理し教え込むスタイルから、教師が子どもに与える影響を最小限に減らした教育へというコペルニクス的発想の転換によって、彼女の名は世界中に知れ渡ることになるのです。

モンテッソーリ教育の発達4段階

  1. 幼児期 0〜6歳
    自分で自分の身体に従い、心を発達させようとするため、身体も心も人生で最も大きく成長する時期。
    数多くの敏感期が現れ、五感を通してたくさんの体験をすることが大事。大人が邪魔したり、急かしたり、放っておいたりすると、子どもの精神的エネルギーと肉体的エネルギーがうまく統合されず、不安定な状態になる。
    幼児期に不安定さを身に付けてしまうと、その後の人生もその不安定な土台の上に積み上げられていくことになるため危険。
  2. 児童期 6〜12歳
    友達が大切になって一緒に活動したがる。道徳心やモラルが生まれてくる時期
  3. 思春期 12〜18歳
    友達との関わりはより重要になる。幼児期に次いで、心と身体が大きく生まれ変わる時期
  4. 青年期 18〜24歳
    考え方や志向が安定する。自分の好きな分野、得意な分野で社会に貢献することができるようになる時期

モンテッソーリ教育では、各年齢・成長に合わせて自分自身に必要な課題に取り組むのですが、これを「おしごと」と呼び、そのタイミングは「敏感期」に現れると考えられています。また適したおしごとを見つけると「集中現象」が起こり、一見無駄に見える、むしろ困った行動でも、子どもがその行為に没頭している場合、集中現象の中にいると考えられます。

例えば、ティッシュペーパーを全部引き出してみたり、道路脇の幅の狭い縁石の上を平均台のように渡り歩いてみたり。それは、子ども自身がなすべきトレーニングをしていて、満足するまでやり遂げ、できた!という感覚を味わうと次のおしごとに取りかかるのです。

6歳までに集中する敏感期

  1. 言語の敏感期
    母親のお腹の中から始まっていて、3歳くらいまでは「話し言葉の敏感期」で、3歳以降は「文字の敏感期」に移行します。
  2. 秩序の敏感期
    生後6ヶ月くらいから始まり、1歳半から2歳半くらいにとても強く出ます。ものの位置順番やり方などに強いこだわりがあり、いつもと違うととても機嫌が悪くなります。
    いつもと同じ状況の中で、自分を取り巻く環境と自分の関係を把握したいと思っている時期なのに、それが邪魔されるからです。
  3. 運動の敏感期
    子どもの動作全般を指し、身体を動かす運動も大人からみたらいたずらを思われるようなことも全て包含します。
  4. 感覚の敏感期
    いわゆる五感を鍛える時期です。食べ物で遊んだり、物を叩いたりすること全て、五感を通して得られる情報を統合して理解するために必要なのです。
  5. 数の敏感期
    4歳ごろから現れ、ものの数、順番、量などに興味を持ちます。数の概念を体験することから始めます。
  6. 文化の敏感期
    虫や恐竜、花や食べもの、世界や宇宙などに興味が強まります。

『自己教育力→敏感期→集中現象』のサイクルを十分に発揮する為に、3〜6歳を対象とするモンテッソーリ教育の環境では、主に5つの教育分野に分けられます。それは、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」です。

子どもの敏感期に適した教育分野のおしごとを見つけさせる為に、それに集中する環境を整えてあげるのが大人の役割です。子どもが自ら見つけたら、大人はやり方を教えるのではなく、お手本を見せます。これをモンテッソーリ教育では「提示」といいます。

また、子どもを頂点として、大人環境がそれを支える三角形を、「モンテッソーリの三角形」と呼びます。モンテッソーリでは、「子どもに自由を与えて、適した環境と少しの助けを元に自ら成長するのを見守る」のが基本方針です。
その自由とは、決して「子どもの好き勝手にさせること」や「なんでも子どもの言いなりになること」ではなく、子どもにはすべての決まりを示し、必要に応じて手短に説明するだけでいいのです。

以上、モンテッソーリ教育のついてまとめましたが、最後に著者の意見が素晴らしいので引用させてください。

ビル・ゲイツや藤井聡太のような天才を育てることがモンテッソーリ教育の成果だと思われがちですが、おそらくモンテッソーリの最終的な狙いは個別の子どもの知能を高めることではなかったはずです。「無力」と思われがちな子どもの中に「自己教育力」を発見し、それを差別や偏見や貧困や戦争のない世界を実現するための原動力とする方法を考えたのではないでしょうか。(p,74)

実際に著者が訪問した大田区にある「子どもの家」(認可外幼児教育施設)のレポートやインタビュー、参考図書も記載され、十分に読み応えのある内容になってますので、ぜひ本書を読んでみてください!

2.シュタイナー教育

シュタイナー教育の概念

創始者
おいたち
ルドルフ・シュタイナー ドイツを中心に活躍した思想家 1861〜1925
自然科学と精神科学を統合し人智学(アントロポゾフィー)を確立。1919年ドイツに自由ヴァルドルフ学校を開校し人智学の知見を活かした教育を実践した。
理念・スローガン 自由への教育。外側の権威や価値に寄りかからず、自分で考え、自分で感じ、自分の意思を行動と結びつけることを目指す。
特徴・キーワード 人間は「身体・心・精神」の3要素からできており、「7年周期」で成長する。また、人間には、「憂鬱質」「粘液質」「多血質」「胆汁質」という「4つの気質」がある。教育そのものを芸術ととらえ「教育芸術」と呼ぶ。
著名人 斎藤工(俳優)、村上虹郎(俳優)、トーマス・クリスティアン・スードフ(ノーベル生理学・医学賞受賞生化学者)、イェンス・ストルテンベルグ(元ノルウェー首相)、サンドラ・ブロック(女優)、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(ポルシェデザイン創業者)、アンドレアス・カウフマン(ライカ社社主)、ケネス・シュノールト(元アメリカン・エクスプレスCEO)、ミヒャエル・エンデ(児童文学作家)など

ルドルフ・シュタイナーが体系化した「人智学」では、科学万能主義、知識至上主義の考え方を批判します。我々が通常の感覚で認識できる物質世界を「感覚的世界」と呼び、それに対してより高次の「超感覚的世界」が存在すると考えています。

独特な視点なゆえ「宗教的」と批判されますが、世界中にこの教育法が広まっているゆえ、人々を魅了する力を持つ教育法なのです。海外では「シュタイナー教育」という名称よりも「ヴァルドルフ教育」という名称の方が一般的です。

シュタイナーの7年周期

  1. 乳幼児期 0〜7歳 身体を育てる時期
    乳幼児期は模倣によって、手足の動かし方を学びます。大人は教えるのではなくお手本を示すこと。「世界は善であり、その世界に私は受けいれられている」と感じられるようにしてあげることが大事。
    知識は詰め込まず身体を育てることにエネルギーを集中させます。
  2. 学童期 7〜14歳 を育てる時期
    親や教師を尊敬の対象・権威として感じて、それに従うことを望む時期。「世界は美しい」と感じられることが大事。
  3. 思春期・青年期 14〜21歳 思考を育てる時期
    世界を客観的に捉え、論理的に思考することが可能になります。権威に頼るのではなく、人間としての理想に目覚め、真理を追究し、批判的精神を養う時期。

4種類の気質

シュタイナー教育では、子どもの性質を4つに分類しその個性ごとに適した対応を行います。

  1. 憂鬱質 文字通り憂鬱な印象を醸し出す。顔色が悪くうつむき加減。独創的で思慮深いが神経質。幼い頃から自我に目覚め大人を困らせることが少ない。見た目もシャープで繊細な印象を与えます。
  2. 粘液質 ゆっくりゆったりしている。よく食べ、よく寝る。忍耐強く、冷静で穏やかで、周りを和ませる力がある。ぽっちゃりとした体型です。
  3. 多血質 いきいきとして明るく、想像力が豊かで美的感覚が鋭いけれど、気分屋。楽しいことが好きだけど、飽きっぽいところもある。バランスのいいプロポーションをしています。
  4. 胆汁質 エネルギーに満ち溢れて活動的。感情の起伏が激しく、好き嫌いがはっきりしています。暴力性が目立ってしまうことも。筋肉質でがっちりしています。

私も著者の言う通り、創始者ルドルフ・シュタイナーについて、シュタイナー教育について、何冊か読みましたが「超感覚的世界」が常人の理解を超えているのは当然だと思いました。
シュタイナーについて知ろうと知ればするほど、言葉では説明できない世界観・思想なのではないかというような、迷宮入りした気になります。そのため、まとめるのが難しいのですが、ルドルフ・シュタイナーの言葉を借りるのならば、この言葉が教育の根幹を成す意識なのではないかと思います。

知識が一番重要なのではありません。私たちが人智学から身につけるべきなのは、魂の部分、魂の奥底の存在する人生の基本感情なのです。

以上、シュタイナー教育の表面的なキーワードをご紹介しましたが、更に奥が深くより高度な視点で知るには更なる知識が必要そうです。その基礎知識や実際に著者が訪問した三鷹市にある「ヴァルドルフの森」(幼稚園型認可外保育施設)、相模原市にある「シュタイナー学園」(私立小・中・高等学校)の現場レポートやインタビュー、参考図書も記載されていますので、ぜひ本書をご覧になってみて下さい!

まとめ

以上が、「世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書」よりモンテッソーリ教育とシュタイナー教育をまとめてみたものです。その他5大教育の要約は、その2、その3に続きますのでぜひそちらもご覧ください。

この本を読んで、子どもの教育法のみならず、性格、身体、思想を学ぶことができると感じました。モンテッソーリ教育もシュタイナー教育も、子どもの未来が明るく平和になるよう考えられ、子どもの才能を存分に活かすために発展し世界に広まった教育法です。

今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。

今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。

書籍情報

書籍名 世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書
著者 おおた としまさ

1973年、東京都生まれ。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校出身で、東京外国語大学中退、上智大学英語学科卒。中高の教員免許を持ち、リクルートから独立後、独自の取材による教育関連の記事を幅広いメディアに寄稿、講演活動も行う。著書に『中学受験「必笑法」』 (中公新書ラクレ)、『受験と進学の新常識』(新潮新書)、『名門校とは何か?』(朝日新書)など50冊以上 。

発行所 大和書房
発行日 2019/06/10

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