こんにちは。
リーダーシップを育む「一流の育て方」について、前回その2は「グリット・コミュニケーション」を、前々回その1は「主体性を伸ばす・視野を広げる」をご紹介してきました。
今回は一流になるために必要な「学力や教養」「子育てで一番大切なこと」をまとめていきます。
一流になるには基礎学力や幅広い教養が不可欠ですよね。一流を育てた親はどんなことを家庭でしてきたのでしょうか?
最後まで読み解いていきましょう!
以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。
一流の育て方
5.これで自分から「勉強」するようになる
子どもは自ら嫌なことはしません。忍耐が必要な「勉強」や面倒くさい「片付け」など、好奇心旺盛な「いい子」ならするかもしれませんが、大人でも自ら進んではしたくないはずです。その勉強を如何にして子どもにやらせるか。この章では、勉強する上で大切な10個のポイントをご紹介します。
- 勉強を強制しない
よく「勉強をしなさいと言うと子どもはしなくなる」ということを聞きますが、そのことが書かれています。子どもに勉強しなさいというのではなく、親が勉強する姿勢を見せ、実際に勉強する習慣や環境を保つことが、子どものやる気やモチベーションを高めるようです。 - 幼少期に「学習習慣」を送る
幼少期の学習習慣は、大人になっても継続できる人が多いようです。特に、勉強嫌いな子でも幼少期の学習習慣が一番容易く身につき効果的なよう。将来、勉強嫌いにさせないためにも、幼少期に勉強癖をつけさせ地頭を鍛えておくほうが、受験に合格したり良い成績を残したりと成功体験につながりその子の自信になります。そのためには、家族の生活リズムの中に勉強時間を組み込むことが良いようです。 - 楽しく思考力を伸ばす
親からの問いかけが「考える習慣」を作ります。幼少期から子どもを一人の対等な人間として向き合い、「なぜ」という質問や疑問を一緒に考え知見を広げると良いでしょう。その際、答えは教えず自分で探させる・独創的な答えでも構わないとのこと。
なぜなら、暗記一辺倒の勉強は本当の教育ではないからです。子どもの想像や考える楽しさを知ることが一番の目的なので、ただ知識を教えることにならないよう注意が必要なようです。 - 勉強の「メリット」を教える
勉強を始める前に、勉強が人生にどう影響するのか・なぜ必要なのかを説明すると良いでしょう。何もしなくても学ぶ楽しさを理解できた好奇心旺盛な子は良いのですが、そうでない・勉強嫌いな子のほうが多いはずです。親から勉強することで「こんなメリットや楽しさがあるんだよ」「こんな視点に立って物事を見ることができるんだよ」と教えられたほうが、勉強する意義を見出せると思います。また、勉強に限らず、親の失敗談やこうしておけば良かったと後悔している話をするのも良いそうです。何故か成功話よりも失敗話の方が親近感湧くことってありますよね。しかも親の過去の話となると子どもには余計心に響くでしょう。一定の学力は一流に求められる必要な力なので、家庭でしっかり身につけたいものです。
- 教育環境で子どもは決まる
子どもの周りの環境が大きな影響を及ぼします。子どもを一流に育てたければ、周りも優れた「良い影響」を受けられる環境に置くのが一番良いです。特に、中学以降は誰よりも「友達」に影響を受けるそう。親や先生など歳の離れた人から言わられるより、同年代の友達が勉強していたら子どもも負けじと勉強するかもしれません。親は勉強の環境を整えるだけで、強制はしないようにしましょう。 - 勉強での「競争意識」を育む
競争社会に入る前に、子どもの「勝ちたい」という気持ちを引き出すのが良いです。特に勉強においては親の競争心も必要なよう。子どもと一緒に学力を高めるべく、試験や受験を「一緒に」乗り越える気概が必要なようです。 - 「報酬」を与えて勉強させても良い
どんなに手を尽くせど勉強しない子は存在します。そんな子には「成功報酬」をチラつかせるのも手だと著者は説いています。勉強の理屈や楽しさを分かってはいてもやる気が起きない子には、その子がやる気になるような報酬を与えていたというアンケート回答も多くあるようです。その子どもに合ったやり方で勉強を進めさせるのが良いでしょう。 - 過程も結果も大切
学業には結果や最終目標があります。学校の勉強は、勉強する範囲や学習到達進度が決まっている中で、如何に理解して知識を蓄えるかが最終目標ですよね。しかし、結果だけを追い求めると、本来の学ぶ楽しさや創造力が失われます。節目節目でそれ相応の結果が出ているか確認しながら学習を進めていくのが良いようです。 - 進学すべきか否か
著者は、天職や目的が見つかっていない段階では、大学に行って選択肢を広げることは重要だと考えています。なぜなら、多感な青春期に多くの同世代の人と交流を持ち、影響し合うことの意味は絶大だからだそうです。様々な価値観に触れ、人脈を広げられるという点で大学は良い環境だと言えるかもしれません。 - 勉強至上主義で育てない
学力があることに越したことはないですが、偏差値が高いとか試験で一位を取ったとか、「勉強ができる」から偉いわけでも素晴らしいわけでもありません。その学力を存分に発揮して何かに貢献してこそ素晴らしいものになるのです。親が持つ価値観や道徳感が擦れたものにならないよう、言動や他者への思いやりを忘れず子どもと楽しく勉強していきたいものですね。
以上、勉強する上で大切な10個のポイントをご紹介しました。
どれも子供だけでなく大人にも通ずる部分があると私は思いました。私自身、勉強は試験をパスするもの、受験に勝つためのものと思って勉強してきたので、親や先生からもっと「学ぶ楽しさや意義」「勉強のメリット」を教えて欲しかったなと感じました。
勉強は自分のためにするもので、決して強制されるものや報酬のためにやるものではないと私は思います。「将来のために」という大義名分を本気で理解し、勉学に励む子はなかなかいないと思いますが、もっと知見や視野を広げて「より良い人生を送れるように」と楽しいことを思い浮かべながら勉強できたらいいなと思いました。
6.「勉強以外の勉強」をさせる
「勉強以外の勉強」とはつまり「教養やしつけ」のことです。幼少期のしつけと親の振る舞いが将来の成功を大きく左右すると著者は断言しています。では、どのようなしつけをすれば、一流の子どもが育つのでしょうか?以下、6つの具体的なしつけについてみていきましょう。
- 自制心と他者への配慮をしつける
学生のアンケートでも「勉強より人間性を重要視して欲しかった」という声が多かったようです。確かに多くの親が勉強は大変だということが分かっているので、教養や人格よりも勉強を優先させがちではないかと私は思います。
人間性の中でも特に、「自制心(約束を守る・嫌なことを我慢する)」と「他者への配慮(思いやり・気遣い)」は幼少期にしつけるべきだそう。「他人の子どもはしつけができていてこそ可愛い」ということを忘れてはいけません。 - まっとうな金銭感覚を身につけさせる
正しい金銭感覚で一番大切なのは「計画性」です。どう計画的にお金を使っていくべきかという資金管理の感覚は知らないと身につきません。親の判断で良いと思ったタイミングでお小遣い帳を用意したり、親子間でお金について学ぶ時間を設けるなどするべきです。 - 教養と感受性を身につけさせる
どんなに学歴が高くても教養のない人は信頼を得にくく浅い人間になりがちです。多感な子ども時代に、芸術や哲学、美術的感性に親しみ、その感性を磨く機会をつくることが大切です。 - 「役割分担」でしつけをする
アンケートでも父母の役割分担がしっかり分けられていたのが良かったという声があるようです。夫婦の一方がしつけに厳しければ、もう一方がガス抜きの役目を果たすと良いようです。 - 親の会話が、子どもの人間性をかたちづくる
良くも悪くも親の言動が子どもに大きく影響します。特に、親の偏見や差別観は無意識に子どもに刷り込まれることが多いです。狭い了見や偏見は捨て、純粋無垢な子どもの前で噂話や悪口は言わないことです。 - 子どもは親の真似をする
親ができない努力を子どもに要求しても無駄ですよね。アンケートでは「親が勉強家で、子どもが読書や勉強をしている親の姿を見て育ち、自分が勉強するのは自然の成り行きだった」と回顧する声が多かったようです。 逆に、親が商いに苦労する姿を見て、自分も頑張らなければならないと感じたという声もありました。どちらにせよ、親の本物の努力や姿勢は、子どもにダイレクトに伝わり言行一致で教育することは子どもの心に刺さるようです。
以上、6つのしつけについてご紹介しました。
しつけるべきことは多くあるように感じますが、それぞれ確実に意味のあることですので、私は少しずつでも理想の親になるべく、家庭を見つめ直し子どもに良い素養を身につけられるよう努力せねばと感じました。しかし、行き過ぎたしつけは禁物です。虐待や暴力へと度がすぎたしつけにならないよう、子を見守るのは一人で抱え込まないで、社会や多くの保護者によって、子どもをしつけることができたら良いなと思います。
7.「無償の愛情」を感じさせる
最も親の大切な仕事は「無償の愛情を感じさせること」ですよね。著者は「自分は愛され、信頼され、受け入れられる」という根源的な自信を幼少期から育もうと説いています。最後に、子育てで一番大切な無償の愛情を感じさせる7つのポイントをまとめていきます。
- プラス思考で明るくおおらかに育てる
「いつもニコニコ優しいお母さん」でいることは不可能だと思いますが、学生のアンケートでも家庭が愛情に包まれた安全地帯であることは親に感謝している声が多いようでした。そのためには、親がプラス思考で明るく笑顔でいることが望ましいのです。 - 父母間での「けなし合い」は絶対にダメ
両親の仲の良さ・喧嘩はダイレクトに子どもの心に伝わり人格を形作ります。特に親の不仲は子どもの人間不信やネガティブな思考を形成する可能性があるため、絶対ダメです。 - 他の子どもと比べない
兄弟や友達と比較されけなされた幼児体験は大人になってもずっと心に残っているものです。また、口先ではけなしていなくとも比較することで、子どもは親から愛されていないように感じ傷つくものなのです。
子どもに常に平等に関わることは難しいですが、平等に大切な存在だと伝えることは、言葉でも態度でも何度でも示さなければならないでしょう。 - 「正しいほめ方」で伸ばす
子どもをほめるときは、何をほめるかが大事です。結果や才能をほめるのではなく、具体的に努力した内容やより難しいことにチャレンジする姿勢をほめるのが良いようです。 - 子どもの非行には執念で向き合う
子どもが非行に走ったときは、周囲を見放しても最後まで向き合うのが親の愛情です。非行に走ったら、子どもの行動全てを把握し本気で抑止するしかありません。
親が子どもの疑わしい行動を盲目的に信じるのは非行を助長しかねません。全幅の信頼を寄せるよりも、子どもに深い愛情と本気の執念であなたがいかに大切かを伝えるのが良いでしょう。 - 信頼で子どもを包む
子どもへ信頼を伝えれば、子どもも信頼を返そうと双方向の信頼関係を築こうとするはずです。しかし、信頼と盲信を混同してはいけません。子どもに、信頼とは「嘘をつかず、誠実に接することだ」と伝え理解させた上で、少しずつ親が子どもの信頼を得るよう育てるのが良いでしょう。 - 無償の愛情を注ぐ
言わずもがな、子育てで一番大切なことです。無条件で愛されているという経験や言葉かけは毎日の積み重ねが必要です。
以上、最も大切な7つのポイントについてまとめました。
これらは誰がなんと言おうと反論できない子育てで一番大切なことですよね。私は実際に実行するがなかなか難しいというのが育児だと感じますが、無償の愛や温かい家庭環境が一流に育つか育たないかの分岐点なのではないかと感じました。
まとめ
以上が、「一流の育て方」をまとめてみたものです。
著者は、本書を通して伝えたいこととして、親の振る舞い・言動が子どもに大きく影響するということを肝に銘じて置くべきとしています。子どもを持つ親としては耳が痛いですが、これは親だけでなく先生や親族にも通ずる部分があると思うので、子どもの周りの人からの影響が如何に大切かということを常に頭の中に入れ、接していかねばならないと私は思いました。
この本を読んで私は、「一流」に育てる・育つには、その人の教養や人格のみならず、周りの優れた環境や努力も大きいと感じます。特に子育てに関して言えば、親の努力がその子の人生にかかっているとひしひしと伝わりました。子どもはみなそれぞれ個性や特性が違うので、どうやって「その子に合った育て方」を見出すかがその後の人生に大きく影響すると感じました。
今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。
忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?
そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。
今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。
書籍情報
書籍名 | 一流の育て方 |
著者 | ムーギー・キム /ミセス・パンプキン 共著
ムーギー・キム ミセス・パンプキン |
発行所 | ダイヤモンド社 |
発行日 | 2016年02月 |
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