ケアレスミスをなくす方法は?

みなさんのお子さんはケアレスミスが多いですか?

塾で子どもたちの模試の結果などを見ていると、クラスの中に数名はほぼノーミス!という子がいるのですが、ケアレスミスだらけ!という子もいます。算数であれば計算ミスはもちろん、余白部分で計算した時の答えは合っているのに解答用紙に写し間違えたり、答えを書く場所を間違えたりと、「ここがちゃんとできていれば合格圏内やんかー!!」ということが多々あります。

解き方がわからなかったら諦めはつくかもしれないものの、「解けていたのに間違えた」「わかっていたのにできなかった」は悔しいですよね。せっかくわかっていたならきちんと点数につなげたい!ミスをなくしたい!

今回は、ケアレスミスの多い小学校5年生の女の子に対して個別に算数の指導を行ったという論文をご紹介致します。この女の子の特徴として、ケアレスミスが多い、頭の中だけで考えるのは得意ではないが視覚化することで力を発揮できる、おしゃべりで活発、などが挙げられます。「うちの子ミス多いの!」と思った方は特に必見!

どうすればケアレスミスは減るのでしょうか?ではご紹介します!

ポイントは「モニタリング」!ケアレスミスを減らせる指導方法

目的

ケアレスミスの多い小学校5年生の女の子に、算数の個別指導をする中でモニタリングをさせることでミスが減るかどうかを調べること。

結果の概要

問題を細分化した(1つの文章題の中で、設問を①立式、②計算、③解答にわけた)プリントを解かせる
自分で答え合わせをさせるとともに、「得点」「間違えた理由」「次回の注意点」をモニタリングさせる
という方法を使って、週1回1時間の指導を合計13回行った結果、

指導前で行った2回のテストでは、それぞれミスが5問(15/20点)、7問(13/20点)だったのに対し、指導後のテストではミスが1問(24/25点)になった!

詳しい研究内容は以下に記します。
*専門的な内容になりますので、とりあえず結果が知りたい!という方は「まとめ」まで読み飛ばしていただいても大丈夫です!!

個別指導におけるモニタリングを促す指導の検討ーケアレスミスの多い小5女児への算数指導を通してー

方法

研究対象

通常学級に在籍する小学校5年生女児。
学習全般に遅れが見られ、計算問題での答えの転記ミスや、文章での書きとばしなど、ケアレスミスが多い。また、衝動的に反応する様子も見られ、多弁で活発な児童。

調査対象児の特徴と指導方針

KABC-Ⅱからの解釈
情報を頭の中で整理したり、処理したりといったことが苦手だが、脳内での情報処理を視覚化することで、一定の能力を発揮することができるということがうかがえた。
推理を使って課題解決を行うことは対象児にとって意欲向上につながることが推測される。
短期記憶に対する弱さや注意力の保持に対する弱さがうかがえた。
→指導において、ワーキングメモリ、短期記憶の弱さに配慮した支援を行うこと、また情報処理の方法として視覚化を取り入れていく

DN-CASからの解釈
ワーキングメモリの弱さやルールを保持することの難しさがうかがえ、また、行動の制御やモニタリングに対する弱さがあることも推測されたが、ワーキングメモリの負荷が少ない課題においては、対象児の能力が発揮されやすい。
→ワーキングメモリの負荷量に配慮し、対象児の実態に応じた課題を設定する必要がある。また、対象児自身のモニタリングの弱さから、モニタリングを促す手立てを取り入れる

設問の細分化
・ヘルプカードの活用
振り返りシートの活用

実施機関と指導内容

週1回1時間の指導を全15回、大学の個別指導室で実施(内2回は体調不良などにより欠席)。
2〜3桁の四則計算を必要とする文章題を取り扱った。どの課題においても未知数の位置は文末になるように設定した。

指導の手続き

①ウォームアップ
計算しりとりなど、簡単に解答できる課題を行った。また、課題終了後に対象者自身が答え合わせを行うことで、課題へのモニタリングのウォームアップも行った。

②算数プリント
算数文章題(4、5年相当)のプリント課題を、1回の指導につき5枚。
プリント1枚につき文章題は1題で、「立式」「計算」「解答」の3問ずつ。

③答え合わせ
対象者自身が実施。

④振り返りシート
答え合わせの結果をもとに、「得点」「間違えた箇所」「次回の注意点」をモニタリング。

指導の経過と結果

指導の経過

計算プリントでは、初めは課題に積極的に取り組むものの、見直し行動が見られなかったり、急いで課題を終わらせようとしたりといった行動や、気持ちの浮き沈みが激しく学習を開始するまでに時間がかかるなどの様子も見られた。
しかし、指導の経過とともに、1問ごとに解答を確認しながら解き進めたり、丸付けの前に誤答を修正したりする行動が見られた。

丸付けでは、誤答に対して丸をつけるなどの行動が見られていたが、指導を重ねるにつれて見直し行動やモニタリングが少しずつ定着している様子が見られた。

振り返りシートでは、当初は声掛けを行わなければ記入しなかったり、「次回気をつけること」も対象児の発言から指導者が内容をまとめて対象児が記入したりといった様子であったが、中盤から後半にかけては対象児自らが次回の注意事項を考えて発言する様子が見られた。また、全問正当の場合でも「今回間違えなかったのはどうしてだろう」と考えて、「次回気をつけること」を決めている様子も見られた。

指導の結果

プレテストでは、1回目はミスの数が5問(20点中15点)、2回目は7問(20点中13点)であったが、ポストテストでは1問(25点中24)と誤答数が減少した

まとめ

劇的にミスが減っていましたね!

問題を細分化させることで1つ1つ丁寧に確認することができるということと、答え合わせをさせて間違えた原因を考えさせ、次はどうするかまで自分で振り返らせることでミスをなくすことへの意識が高まったのだということがわかりました(^^)

今回研究対象になった女の子も、はじめのうちは学習をはじめるのに時間がかかったり、丸付けの間違いなどもあったようですが、回数を重ねるごとに定着していったのだそうです。継続は力なり!

お家でできそうなこととすれば今回のように「問題が細分化されたプリントをやらせて答え合わせ、振り返り」ということですが、個人的に重要だなと思ったのが「振り返りを習慣化させる」ということです。

「見直しをするということは大切だ」と思っていないお子さんってあまりいないと思うんです。なぜならケアレスミスが多いお子さんは特に、先生からも、おそらくお家の人からもよく「見直しをしなさい」と言われていると思うからです。見直しが大事だと知っていてできないのは、単純に定着していないからというのが1つ考えられると思います。

宿題でもテストでも、「自分で解いたものは注意深く見直す」ということを習慣化して当たり前にしてしまえば今回の研究のようにミスは減ると思いました。子どもが宿題を解いているのを見て「ここが間違っているよ」と伝えるのではなく「もう一回最初から見直してみて」と声掛けをしてみたり、数ページあるものを1ページずつに細かくわけて、1ページごとに答え合わせと見直しをさせるなど、もう一度根気強く、お子さんが自分で見直しを習慣化できるようにサポートしてあげてみてはいかがでしょうか?

ただし今回の研究は1人に対する1回のデータなので、統計的に有意であったとは言えません。上記の方法が必ずしもすべてのお子さんに合っているとも言えません。あくまでも1つの方法として参考にしていただければと思います。

NOCCでは、今後も子育てに役立つような論文をご紹介していきますので、ぜひ時間があったらホームページを覗きに来てください♪

(引用文献)
庄子果那・青山眞二(2018)個別指導におけるモニタリングを促す指導の検討ーケアレスミスの多い小5女児への算数指導を通してー. 北海道教育大学紀要, 教育科学編, 69(1), 117-127

ABOUTこの記事をかいた人

Yoshino

個別指導塾と集団指導塾で、主に中学受験・高校受験の英語と国語を担当してきました。 世の中の子育てに励む全ての親御さんたちが笑顔になるような記事を書いていきたいです!!

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