脳を鍛えるには自然と触れ合うべき?

みなさんは、普段農作業をすることはありますか?

住んでいる地域や環境によって機会があったり、なかったりと様々だと思いますが、今回ご紹介する書籍では、脳を鍛えるには農作業をするべきだと述べられています。この書籍は、解剖学者であり東京大学名誉教授の筆者が小・中・高校生の悩みや疑問について答えていく形になっています。

相談内容は
「頭がわるいと親に言われた」
「集中力をつけるには?」
「努力ができません」
など。

これについて筆者がどうアドバイスしているのか、そして、なぜ農作業なのか!!そのあたりを中心に、内容をまとめてみましたのでご覧ください♪

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

バカのものさし

「頭がわるい」ということに関しては、計る「ものさし」によってかわる。また、一般には「コトバの能力」が必要かもしれないがそもそも簡単に言えるものではない。

しかしNHKで10年前から行われてきた調査では、3歳くらいの子どもで識字率が高いということと、外遊びの時間の多さがはっきりと関係していることがわかった。このことは脳の働きの基本と関係している。

まず人間が「何かをできる」ということにはすべて脳ミソが関係している。脳が働いているとは、五感として刺激を「入力」し、その結果を「運動」として「出力」している、ということ。そして脳はこの入力と出力のループをすることで学ぶ

だから根本的に脳は、このループでつくられていき、その過程で「変わらない」ということだけを残していくことが「学習」するということ。そしてこの脳を発達させるためにはとにかく自然と向き合うことが必要。でも現代社会では自然がない。

自然と接することは、体を動かすことにつながり、脳を成長させることにつながる。だから、自分のからだで動く、つまり、いろんな環境でいろんなことをすることが、特に小学生以前の子どもは脳の発達のためには本当に大切である。

昔の人は作物を育てて、それを食料としていた。まず稲を植える。もちろんそれだけで育つわけではなく、当然、豊かに育てるために試行錯誤をする。知り合いから「この農薬いいよ」と言われても、すぐ鵜呑みにして3ヶ月後それで失敗してしまったら食べていけなくなる。だから毎日毎日試行錯誤して、問題が起こったらその対策を考える。それが「手入れをする」ということであり、その結果、努力・辛抱・根性が身につく

大人も、子どもも我慢ができなくなったのは、ボタンを押せば片付く社会になっているから。ボタンを押せばお風呂がわく、テレビがつく、洗濯ができる。「ボタンを押す→何かが起こる」の間に因果関係はない

そして、このボタンを押せば何でもできる社会で、子どものいろんな問題を「ゲームのせい」「携帯のせい」「情報量のせい」といった「何かあればすぐ何かのせいにする」考え方が当たり前になっている。「何かが起こった→ボタンを押したせいだ」となる。でも人間の性質はそんなに簡単ではない

何か問題が起こったとして、まずその問題が起こった過程や、その人の性質を考えないといけないので簡単には片付かない。それを昔の人は、自然という簡単に手なずけられないものを相手に、ごく当たり前にやってきた。子育ても同じである。

まとめ

以上、『バカのものさし』をまとめてみました。

いかがでしたでしょうか。

頭がいいとか悪いとかは簡単には決められないというのは確かにそうだなと思いました。そういうことを考えるのではなく、まずは脳を鍛えましょう、ということなんですね!いろんな経験をすることで、刺激と運動の入出力を繰り返され学習していくという脳の仕組みの説明はとてもわかりやすかったです学習を繰り返すことで脳が鍛えられるのですね。

稲を育てないと自分が生きていけない!となると、自分で必死に考えるし、努力や集中もするでしょう。そして学習をしていきます。だから、自然と向き合うことが大事だ!ということも納得できました。

ですが、じゃあ明日から田舎に住もうか、というのは現実的には難しそうなので。。とにかくお子さんがたくさん体を動かしたり、たくさんのものに触れたり、たくさん考えたりできるような機会を増やすことでも脳が鍛えられるのではないかなと思います。

また、識字率の高さと外遊び時間の多さの関係についてはもう少し調べてみたいと思います!

今回は詳しく触れませんでしたが、上にまとめた以外で、解剖学の話や脳のシワの話など体の仕組みについてもわかりやすく解説してくれています

約50の質問とともにいろいろと解説してくれているので興味を持った方はぜひ一度手にとってみてください。

今回は書籍『バカのものさし』をご紹介しましたが、農作業で脳が鍛えられる、という点は科学的根拠に基づいたものではありません。ですが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。

なお、この記事は2018年7月2日に公開されたものです。外出自粛が解除されていろんなところにお出かけしようと計画を立てている人もたくさんいらっしゃると思います。今は人気の体験型施設も増えていることから、自然と触れ合う機会も一時期よりは増えたと思います。「楽しい」「経験が増える」「元気いっぱい遊べる」ということだけでなく、「脳も鍛えられる」かもしれないということもぜひ覚えておいてくださいね(^^)

今後、NOCCではほかの子育て方法などもご紹介していくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。

それぞれのママたちにあった、お悩み解決策やそのヒントが少しでも見つかりますように♥

題名 バカのものさし
著者 養老孟司(ようろう たけし)
1973年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。専攻は解剖学。
東京大学名誉教授、京都国際マンガミュージアム名誉館長。
1989年、『からだの見方』(筑摩書房/ちくま文庫)で、サントリー学芸賞受賞。
ほか、『唯脳論』(1989年、青土社/ちくま学芸文庫)、
『バカの壁』(2003年、新潮新書、毎日出版文化賞特別賞)、
『養老孟司の大言論(全3巻)』(2011年、新潮社)、
『遺言。』(2017年、新潮社)など多数。
発行日 2018年2月10日
発行所 扶桑社

ABOUTこの記事をかいた人

Yoshino

個別指導塾と集団指導塾で、主に中学受験・高校受験の英語と国語を担当してきました。 世の中の子育てに励む全ての親御さんたちが笑顔になるような記事を書いていきたいです!!

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