読む力をつけるには?

みなさんは本を読むのは好きですか?
私は高校生くらいまでは好きではありませんでした。
お手紙や日記など、字を書くのは好きでしたが、「読む」ということに関してはあまり好きではなかったと思います。

しかし、大学生の頃にミステリー小説にはまり、1冊読み終わるまで読み続けることも多々ありました。
今では本を読むことは好きなことの一つです♪

今回は、吉田新一郎さんによって書かれた
」はこうしてつける』という書籍をご紹介します。

この本では、主に学校で行われているリーディング・ワークショップのやり方が紹介されています。
リーディング・ワークショップはただ読むだけではなく、先生が読み方を教えたり、生徒が読んだものをアウトプットするという授業の一つなのだそうです。

読む力はどうすれば身につくのでしょうか?

それではご紹介します。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

書籍名:増補版「読む力」はこうしてつける
著者:吉田新一郎

<優れた読み手が使っている方法を身につけるためのアプローチ>


②考え聞かせ(読んでいるときに考えていることを言葉にして表すこと)
③見本を示す(いつ、どこで、どうやって読むかなど)
④読んだ反応や感想を紹介し合ったり話し合ったりする
⑤最低限のことは教え、子どもをしっかりと観察し、フィードバックやサポートをする
⑥④を通じて学んだことを踏まえて振り返ったりアドバイスをする

<優れた読み手が使っている方法を身につけるためのレッスン>

1.関連づける

自分の知識と関連づけることで、新たな知識や体験が加えられる

①誰もが行ったことのある所と、誰もが行ったことも聞いたこともないような所を一つずつ選び、知っていることや思い浮かぶことをできるだけたくさん挙げさせる
②絵や読み聞かせなどを使って思い浮かぶことを挙げさせる
③2冊の本を使って共通する点と相違点を出し合う
④一連のレッスンから学んだことを書かせる

2.質問する

子どもが自問自答することで、好奇心を取り戻し、自信が高まり思考も深まる

①まだ食べたことがないであろう食べ物を見せて、質問させる
②絵本のイラストで質問させる
③数日かけて読み聞かせを繰り返し、質問を追加させる

3.イメージを描く

視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、味覚、触覚や気持ちといった部分を使いイメージを描くと、理解が深まり読むこと自体が楽しくなる。

①言葉からイメージを描かせる(「犬」であれば、「どんな犬か」「どこにいたか」「誰といたか」など)
②ある状況を説明し、そのイメージを無地の紙に描かせる
③絵を見せないで読み聞かせをしたあとにイメージを描かせ、絵を見せながら読み聞かせをして、自分のイメージと絵の相違点を見つけさせるイメージすることを考え聞かせながら見本を示す

4.推測する

推測することは、「関連づける・質問する・イメージを描く」ことと深く結びついている

①人物でも風景でも、初めて見る写真を見せ、実際に見えるものを書き出す。そしてそこから推測できることを書かせる
②文字のない絵本からストーリーを推測させる
③本を読みながら推測したことを書き出させる
④分からない言葉を自分が知っていることや文面から推測させる
⑤主人公の思いや気持ちを推測させる

5.何が大切かを見極める

読み始める前に、どれくらい時間をかけるのか、どういう姿勢で本にのぞむのかなどの目的をはっきりさせておく。

①無人島で半年間暮らすことを想定して、一緒に持っていきたいものを挙げ、それを人と共有する
②読み手として自分が大切と思うことのあとに、書き手(出題者)が大切と思っていることを考えさせる
③絵本をたくさん用意し、表紙だけでフィクションかノンフィクションかを分類し、根拠も示させる

6.解釈する

内容を要約することも合わせて、自分なりの視点を構築する。

①何らかの明確な主張を持っている絵本を読み聞かせする
②子どもがよく知っている絵本を用意し、要約の見本を考え聞かせで示す
③実際に要約させる
④自分が読んだ本の中からおすすめの本として紹介文を書く(読んだ中から大切な点を選び出すことと、短くすること、自分の言葉で書くこと。より大切なのは要約よりも自分の考えや反応であることを伝える。)

7.その他

①読んでいるけど理解できない場合は、読みながらほかのことを考えた経験があるかどうかを聞く。理解できるようにするには、読み直す、ゆっくり読む、他の本を読むこと。難しい場合はまず知っていることを探し、新しい情報と関連付ける。
②読んだ本の内容に賛成する点とできない点を根拠とともに書く。
③子どもたちが関心のもてるテーマを設定して様々なサイト情報を集めて、自分だったらどの情報を選ぶかを決める。

まとめ

以上が『「読む力」はこうしてつける』をまとめてみたものです。

今回読んだ本は、リーディング・ワークショップの活動内容や、指導方法が中心だったので、その中から、家でもできそうなものをいくつかまとめました。

素晴らしいなと思ったことは、それぞれのレッスンをするのにちょうど良いオススメの絵本を紹介してくれていたところです。
さらに友だち、家族、学校などのテーマ別にも絵本の紹介がありました。

また、この本を読んで一番感じたことは、「子どもに思ったことや考えたことを言わせる、書かせる」ということがとても重要なのだということです。
私もそこを一番大切にしたいと考えています。
中学受験の国語を教えていたとき、文章を読ませたあとに「どう思った?どんな内容だった?」とよく聞いていました。
ある程度書いていることは把握しているのに、「どんな内容か」にきちんと答えられる子は少なかったです。

もちろん練習したらできるようになるのですが、難しい場合は考え聞かせをするといいのですね!

イメージをさせたり、質問させたり、見極めや解釈をさせることで、自分でしっかりと考えることができて、正しいと思うものを選んだり判断することができるようになりそうですね!!

私は今まで、ここまで「読む」ということについて深く考えていませんでした。
この先読む本では、今まで以上にしっかりと読んでいきたいです!
レッスンも取り入れることで文章力も上がりそうです!!

レッスンに関しては、今回まとめた以外のレッスンもたくさん載せられています。
必ずしも全てやる必要はなく、自分でアレンジを加えてもいいのだそうです。
書籍には今回紹介した以外のレッスンがもっとたくさん載せられています。
オススメの絵本もたくさん紹介されているので、ぜひ一度手にとってみてください♪

今回はアクティブラーニングについての課題点や問題点についてご紹介しましたが、これは科学的根拠に基づいたものではありません。
ですが、一つの考え方として参考になればと思います。

なお、この記事は2018年12月17日に公開されたものです。今、特にお子さんがお家にいる機会が増えていると思うので、読書を勧めてみてはいかがでしょうか(^^)そしてその内容を説明してもらうことで、お子さんの知識も深まり、コミュニケーションの手段にもつながると思います♪

今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介してくので、いろんな角度からご参考いただければと思います。

↓書籍情報

書籍名 増補版「読む力」はこうしてつける
著者 吉田 新一郎(よしだ しんいちろう)

現在、「学び、出会い、発見の環境としくみをつくりだす」ラーンズケイプ(Learnscapes)代表。著書として、『「学び」で組織は成長する』(光文社新書)、『効果10倍の教える技術』(PHP新書)、『読み聞かせは魔法!』(明治図書)

発行日 2010年11月30日 初版第1刷発行
2017年12月15日 増補版第1刷発行
発行所 株式会社 新評論

ABOUTこの記事をかいた人

Yoshino

個別指導塾と集団指導塾で、主に中学受験・高校受験の英語と国語を担当してきました。 世の中の子育てに励む全ての親御さんたちが笑顔になるような記事を書いていきたいです!!

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