こんにちは♪
みなさんはお子さんに普段どんなアドバイスをしていますか?
学校のことや友達関係、生活習慣に関することなど、いろんな言葉を日々かけていると思います。
そのアドバイスによって子どもがもっと前向きになって、より充実した生活を送ってほしいと思いませんか?
今回ご紹介したいのは、親からのメッセージやアドバイス(親自身の大学時代の経験に基づくもの)が、子どもの大学生活に対する印象(大学や学業に対するモチベーションなど)にどのように影響を与えているかについて調査・研究した論文です。
具体的には大学生に、印象に残っている親からのメッセージを想起させ、その内容がどんなものだったのか、それをどう捉えたか、親との満足度はどうか、大学に対する印象はどうか、について分析されています。
親からのどのようなメッセージが、大学生の子どもに影響を与えるのでしょうか?
では、ご紹介します。
*専門的な内容になりますので、とりあえず結果が知りたい!という方は
「まとめ」まで読み飛ばしていただいても大丈夫です!
「想像し続けたら実現する。」大学生の成功の指標として印象に残る親からのメッセージ
目的
親の大学時代の経験についてのメッセージを子どもがどう解釈するのか、そしてどのような影響を与えるのかについて調査。
調査方法
調査対象者
419人の公立大学生(平均年齢20.49歳)
調査内容
<親からのメッセージの捉え方>
親からのメッセージ(親自身の大学時代の経験に基づくもの)の中で一番印象的なものを報告させ、そのメッセージについての捉え方3指標を調査。
(「どれくらい正か負の印象があるか」「どれくらい自分にとって意味のあるものか」「親がどれくらい自分を思って言ったと思うか」)
<大学での成功指標>
認知的学習指標
学習指標尺度13項目で5段階評価(1.全くしない~5.頻繁にする)。
「私は積極的にクラスの議論に参加する」「私は授業の内容を復習する」など。
大学に対するモチベーション
大学に関する5項目に対して7段階評価。
「動機づけられている―動機づけられていない」「興味がある―興味がない」など。
大学に対する満足度
11項目に対して7段階評価。
「有益だ―がっかりだ」「大変不満である―大変満足である」など。
学習者エンパワーメント
自分の授業の重要さ、授業から与えられる影響力、自分の授業での有能さの3次元を測る35項目に対して5段階評価。
「授業での課題は私にとって価値のあるものだ」「授業での学びに影響力がある」など。
<親との満足感>
10項目に対して7段階評価。もう1項目で満足度を全体的に評価。
「大変不満である―大変満足である」
結果
<印象的だったメッセージのテーマ>
①勉強、遊び、あるいは両方一生懸命するということについて4種類
(勉強を一生懸命するべき、勉強と遊びを一生懸命するべき、遊びを一生懸命するべき、大学へ通う必要性)
②すべきこととすべきではないことについて4種類
(励ましやサポート、アドバイス、注意、親の経験に基づくアドバイス)
↓大学での成功指標 | メッセージのテーマ | メッセージの捉え方 | 親との満足感 |
認知的学習指標 | ✖️ | ◯ | ✖️ |
大学に対するモチベーション | ✖️ | ◯ | ◯ |
大学に対する満足度 | ✖️ | ◯ | ◯ |
学習者エンパワーメント | ✖️ | ◯ | ◯ |
*◯:有意差あり、✖️:有意差なし
まとめ
①メッセージのテーマ、②子どもがそのメッセージをどう捉えたか、③親との満足感の3つが大学に対するモチベーションや満足度などに関わるかどうかを調査したところ、①の内容は大学に対するモチベーションや満足度には影響はなく、メッセージをどう捉えたか(ポジティブかネガティブか、自分に意味があったか、どれだけ自分のことを思ってくれているか)と親との満足感はどうか、ということが影響するという結果が出ていました!
確かに、どんなに素晴らしい内容のアドバイスでも、誰に言われたかによって響き方が違いますよね。満足できる関係である親から言われたことであれば、そのアドバイスを取り入れてみようと思うのも納得できます。
メッセージをどう捉えたかということが大学生活での充実感に関わるという結果に関しては、反抗期であってもきちんと子どもは親の言葉を受け取っているということだと私は解釈しました。反抗期で一見親の言うことを聞かずに一時的に関係が良くないように見えても心の中で子どもが「自分のことを思って言ってくれているのだ」と感じていれば、きっと心に響くはずです。
お子さんがより充実した生活を送れるよう祈っています♪
NOCCでは、今後も子育てに役立つような論文をご紹介していきますので、
ぜひ時間があったらホームページを覗きに来てください♪
(参考文献:Kranstuber, H., Carr, K., & Hosek, A. (2012). “If You Can Dream It, You Can Achieve It.” Parent Memorable Messages as Indicators of College Student Success. Communication Education, 61(1), 44-66. doi: 10.1080/03634523.2011.620617)
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