みなさんは学生時代、誘惑に負けることなく勉強できていましたか?
日頃から、あるいは試験前や入試前など、勉強しないといけない場面はあったと思います。
もちろん毎回誘惑に負けそうになる、というわけではなくしっかりと決めたことをこなしていたこともたくさんあるでしょう。
しかしたまには集中できなくなるときがある!
周りを見渡すと誘惑だらけ。「ちょっとだけテレビみようかな。」「いやいや!勉強せなあかんし!!」などと葛藤に悩まされた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時みなさんは、どんな風にその葛藤を解決しようとしていましたか?
個人的には図書館に行ったり、家の中であれば部屋を変えたりと、環境を変えることが多かったように思います。
マンガを読みたい、テレビが見たい、など誘惑が出た場合は「1冊だけ!」とか「30分だけ」とか条件をつけて潔く勉強やめてました(笑)
でも後になって「もうちょっとちゃんとやっておけばよかったな」と思うこともよくあったので、
誘惑に打ち勝つ秘訣!みたいなのがあればぜひ知りたい!と思いませんか?
今からご紹介する論文は、このような目標(勉強)と誘惑(漫画やテレビ)の間で葛藤する状況に直面した際に、目標追及(勉強を続けること)を優先させるにはどのように対処するのがよいかについて調査・研究したものです。
*専門的な内容になりますので、とりあえず結果が知りたい!という方は
「まとめ」まで読み飛ばしていただいても大丈夫です!!
学業場面における誘惑対処法略の有効性の検討
目的
①誘惑対処方略が、目標追求(勉強を続けること)に有効であるのか
②目標達成の困難度の違いが誘惑対処方略の有効性を調整するかどうか
誘惑対処法略の具体的な内容
目標意味確認方略 | 自分が達成しようとする目標の重要性や意味 そして利益について考えたり確認したりする方略 ・自分自身にとって目標がどれだけ重要かを確認する ・なぜその目標を達成したいかをよく考える ・目標を達成したときの利益を思い浮かべる など |
気分転換方略 | 気分転換をすることで目標に対する動機づけを高め 集中して目標に取り組めるようにする方略 ・気分転換をして目標と向き合う ・音楽を聴くなど、自分なりの方法で気分転換をする など |
誘惑回避方略 | 目標に集中するために誘惑を避けることや 誘惑のない環境を作る方略 ・目標に集中できるように、誘惑を避ける ・誘惑について考えないようにする ・誘惑のない環境をつくる など |
目標実行方略 | 実際の行動において強制的に目標関連行動を実行する方略 ・まずは目標達成にむけてやるべきことを実行する ・とにかく目標に向けて始める など |
では、大学生に調査した結果はどうだったのでしょうか。
結果
①の結果
誘惑対処方略を使用することが目標追求を促進していた。
誘惑対処方略の全般的な使用が目標追求に有効であった。
②の結果
目標意味確認方略、誘惑回避方略、目標実行方略の3つは、
目標達成の困難度の違いによって調整されない。
総合的には、
誘惑対処方略は自己統制方略として概ね有効であるが、
気分転換方略に関しては調査方法の検討も含めまだ課題がある。
でした!
まとめ
上の表の中にあるような方略は誘惑からの脱出を助けてくれる!
ただし、いつも同じ方法ではなく、いろんな方略を使うべき!
このことは、目標が高くても低くてもいえる!!
という結果が出ていました!
まず、誘惑対処方略に関しては、私も含め誰しもが上でご紹介したような行動をなんとなくとっているのではないかと感じました。
ただ、私自身はそれらの行動を“なんとなく”とっていただけで、葛藤が起きるたびに「よーし、誘惑対処方略使うぞー!!今日は目標実行方略だ!!!」などとと考えて葛藤を回避しようとしたことはなかったです。みなさんはいかがですか?
そういう意味では、どうしても誘惑に負けそうになったとき、しっかりと自分の中で葛藤を意識して、解決策としていろんな種類の誘惑対処方略を使うのも1つの手段なのではないでしょうか。
今回の論文では、学業場面においてのみに焦点をあて、大学生に想起させることで調査・研究を行っていましたが、普段の仕事や家事などにおいて葛藤が起きた場合でも試してみる価値はあるかな、と私は思いました。
誘惑に打ち勝つ秘訣!は手に入りませんでしたが、ヒントは手に入ったような気がします♪
なお、この記事は2018年7月25日に公開されたものです。高校受験や大学受験がいよいよとなってきたこの時期だからこそ、しっかりと誘惑対処方略をとって悔いの残らないよう思う存分勉強に励んでほしいと思います(^^)
(参考文献:学業場面における誘惑対処方略の有効性の検討)