こんにちは。
前回その1では、リーダーシップを育む「一流の育て方」の「主体性を伸ばす」「視野を広げる」について書かれている書籍のをご紹介しました。今回は「グリット」「一流のコミュニケーション能力」についてまとめていきます。
「グリット」という言葉はご存知ですか?最近ではよく教育関係でも使われる言葉なのでここで詳しくみていきましょう!
以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。
一流の育て方
3.やり抜く力「グリット」を育む
まず「グリット」の説明からしましょう。
心理学のアンジェラ・ダックワース教授が「成功する人生に必要な力は、非認知能力であるグリット(高いモチベーションで長期的に目標を達成する力、やり抜く力)である」と考え、学力やIQよりもこのグリットが人生の成功を左右すると提唱しました。
最後まで諦めずに頑張る力は一流のアスリートやプロフェッショナルに求められる力ですよね。この「完遂能力」のことを「グリット」と呼び、最後まで諦めないことが信頼や成功を導くとしたら、子育てや教育にも必要不可欠なキーワードとなってくるのがお分かりでしょう。
それでは、このグリットを育むために家庭で何ができるのか、以下7つの方法をご紹介します。
- モチベーションをあげる秘訣は「挑戦させる」こと
モチベーションを高めるのに最も効果的なのは、子ども自身に自分で挑戦したいことを決めさせることだそうです。自分で主体的に決めたこと・自分で目標を設定したことは、責任感を伴うため積極的に挑戦したり継続することができます。挑戦させるためには、親が子どもの興味あることを把握し、様々な挑戦できる選択肢を見つけて提示することが大切ですね。 - 子どもの応援団になる
親から応援されることは子どもにとって、何にも変えられない自信となるはずです。もし親であるあなたが、非難癖のある消極的な性格だったら、子どもはそれを見て真似るでしょう。親は子どものやることを最後まで信じて、応援することが一番子育てて大事なのではないでしょうか。 - 重圧にならない程度の期待を伝える
子どもが頑張れる「良い期待」と負担になる「悪い期待」は何が違うのでしょうか?親から子どもへの期待は大抵は自然な愛情の一つですし、子どもも親の期待に応えたいと思うはずです。
結局、親の期待の「伝え方」に愛情を感じさせているかどうかが問題なのではと著者は言っています。子どもが期待に応えられなかった時のフォローが出来るか、期待をプレッシャーと捉えず自分を愛情で包んでいると思えるかどうか、その違いなのではないかと私は思いました。 - 「本気」を確かめて投資する
投資しているお金に見合う努力を子どもがしているかどうかチェックする必要があります。なぜなら、教育費には糸目をつけない親は多いですが、それは無駄か、むしろ逆効果の場合があるからです。子どもの本気度を見極め、強い意思を見出したことに集中することで、子どもの努力や真剣さにつながるのです。 - 真剣にならなければ叱る
子どもの挑戦を阻まず応援する一方、怠けたら断固として矯正しなければなりません。つまり、親は優しく大らかに見守ると同時に真剣に向き合う必要があるのです。特に怠け癖がつかないよう注意が必要です。人間、一生懸命に取り組む時もあれば、飽きたり怠けたくなったり、モチベーションに波がある時もありますよね。
学生のアンケートにも、怠けた時は親に叱ってもらって感謝しているという回答も多いとか。逆に怠けても叱ってくれないのは親の怠慢だとか。親は子どもに対して、優しさと厳しさの目で見守らなければならないようです。 - 途中で簡単にやめさせない
「石の上にも三年」というように何かをやり遂げるには途中で投げ出さず継続する力が必要です。アンケートでも「途中でやめさせなかった親」に感謝している学生が多いようです。もちろん、途中だろうが辞めた方が良い場合もありますが、何かを始めるなら辞めるタイミングや最終目標を定めてしまうのが良いでしょう。 - 「失敗を乗り越える強さ」を身につけさせる
新しいことへ挑戦すれば失敗はつきもの。失敗をどう生かすか、どう乗り越えるかは親の支援の仕方次第。失敗の原因を一緒に考え、次はどうしたら良いのかを子ども自身に考えさせるのが良さそうです。そのためには普段から、失敗しても良い環境・雰囲気を作り、ミスしても萎縮せず素直に認めるような訓練を積む必要がありそうです。
以上、グリットを育むための7つの方法をまとめました。
私は、何事も成功するためには嫌なことや失敗は必ず通る道だと思うので、このグリット力を如何に養うかが成功への鍵だと思いました。大人でもなかなか忍耐力や諦めない気持ちを持つのは大変なので、子どもには甘くしてしまいそうになりますが、私は嫌なことを厭わず興味あることや夢中になれるような環境を整えてあげられるようサポートをしっかり行いたいなと思いました。
4.一流の「コミュニケーション能力」を磨く
コミュニケーション能力が大事、というのはどの教育本・子育て本にも書いてありますが、「一流の」コミュニケーション能力とは、一体どんなことに注意すれば良いのでしょうか。以下、10の方法から紐解いていきましょう。
- 「社交の場」に参加させる
幼少期から様々な大人と接点を持つことが大いに有意義とのこと。「場慣れ」することが、他人と接することに抵抗感がなくなり、初対面にも物怖じしなくなります。
そこで私は、子どもにインターネット上で交流の場を設けたり、ボランティアに参加するなどして積極的に幼少期から多種多様な人と接する機会を設けるべきだと感じました。 - 「書く習慣」を身につけさせる
手紙や作文が上手になるコツは「書く習慣」を身につけさせること。ここでも「場数」が物を言うようです。日記や読書感想文など何でも良いので書く習慣をつけることで、理路整然と話す能力を効率的に獲得できます。その際、パソコンのキーボードで文字を打つのではなく、手作業で文字を書く方が脳科学的にも脳の働きが活発になり良いそうです。 - 外国語教育は、幼少期から慣れさせる
学生のアンケートでは、「幼少期から外国語教育をして欲しかった」という声が多数あったそうです。
しかし、「外国語よりも母国語を」「日本語の読解能力が育まれてから外国語を習得した方が良い」などという声も聞きます。著者は母国語もしっかり学ぶという条件付きで、外国語教育は幼少期から徹底的に始めた方が良いと説いています。二項対立ではなく、並行して学ぶことが可能です。
私も著者の意見に賛成で、母国語は家庭でしっかり教え、外国語は幼少期から慣れておくことが一番良いのではないかと思っています。 - 小さいころから「何でも話せる相手」になる
子どものコミュニケーション能力を育む上で一番大切なのは、「親に何でも話せる」という信頼関係があることなのだそうです。そして、その関係は幼児期から親の心がけや働きかけで構築されていることが理想です。なせなら、子どもが思春期になると、親子の距離がさらに開くことになるからです。親として、子どもの世界を理解しようと歩み寄り、些細な感情の変化に気づいてあげることが大事です。 - 子どもと積極的に議論せよ
他者と異なる価値観や感情があることを知るために、親子でよく議論をする機会を設けることが良いようです。親は子どもと議論する中で、反論と人格攻撃は違うことを学ばせなければなりません。反論を素直に受け止め、建設的な議論をするというマナーは簡単には習得できないため、親子で何回も議論を重ねる訓練をする必要があります。 - 親の価値観を押しつけない
学生のアンケートでも、親による価値観の一方的な押しつけに対する反発の声が多く上がっていたそうです。親は子どものことを想って「良い大学・会社へ」「良い人格形成を」と躍起になり、子どもの意見を頭ごなしに否定してしまうこともあるかもしれませんが、これは子どもが「親に何を言っても無駄だ」と本気で親と向き合わなくなる要因になります。 子どもの意見が親自身の考えや価値観と違っても、否定せず受け入れ、相手を尊重できる「度量」を、まず親が持つべきで、それを子どもは見て真似ることが、「違う価値観を受け入れる」第一歩となるでしょう。 - 怒るのではなく気づかせる
子どもへのしつけは子育ての中で大きなテーマですよね。理不尽に感情的に怒らずに、如何に自分で間違いに気づかせるか、諭して本当の意味で理解させるかは子どもの性質によっても対応が様々だと私は思います。だからこそ、子育ては難しく一辺倒ではいかないと思うのです。
子どもに本心から間違いに気づいてもらえるよう、穏やかな話し方で何が良くなかったのかを一緒に考え話し合うことが良いのではないでしょうか。 - 感謝することの大切さを教える
周囲に感謝することは同時に信頼を得ることにつながります。深い人間関係を築きたいのならば、感謝の気持ちを伝えることは基本です。仕事関係でも友人でも感謝を言葉にして伝えることはとても大切ですよね。子どもは親の姿勢を見ていますから、他人に対してだけでなく、家族間でも感謝の気持ちを表すのを忘れず伝えたいものです。 - 相手の立場に立って考える癖をつけさせる
コミュニケーションをする上で大事な要素として、「相手の気持ち、特に弱い立場にある人々の気持ちを思いやれるか」は、幼少期の体験や親の考え方に大いに左右されるようです。「相手の立場になって考える」ことは、なかなかマジョリティ(多数派)にいては気付きにくいと私は思います。自分が弱い立場になる必要はありませんが、弱い立場から見た視点や考え方に寄り添うのはどうすれば良いか、ボランティアや視野を広げることで子どもが自分で気づくことがあると思います。
- 動物を通じて思いやりの心を育む
アニマルセラピーという心理療法があるように、動物と触れ合うことで豊かな感情が芽生えることがあります。実際に動物を飼う環境がなくても、動物の命を扱う書物やドキュメンタリーを見て学ぶことができます。他者への思いやりや共感を育む上で、命について考えることは貴重な経験になるはずです。
以上、一流のコミュニケーション能力を育むための10の方法をまとめました。
私は、コミュニケーション能力といっても一概にこれをすれば伸びるという事はないのだと感じました。読解力・積極性・言語スキル・思いやり・共感力・信頼関係。多くのことが重なって一流のコミュニケーションは成り立っているのだと気づかされます。家庭でできることは、親が様々なコミュニケーションの場を提供し、相手の気持ちや価値観を理解できるように親子でよく議論することなのではないかと思いました。
まとめ
以上が、「一流の育て方」をまとめてみたものです。
ここまで読んでみて、当たり前かもしれませんが、私は子どもを一流に育てるには幅広い知識と経験を積ませることが一番大事だと感じました。様々なことに挑戦し経験することで、「グリット」や「一流のコミュニケーション能力」が育まれ、親も子どもも成長し視野を広げることができると思います。
次回その3で「一流の育て方」講座は終了です。最後までお読みいただけたら幸いです。
今回ご紹介した教育法は科学的根拠に基づいたものではありませんが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。
忙しい育児の中で読む時間が取れなかったり、じっくり本の世界に浸れなかったりしますよね?
そんな時にこのまとめがお役に立ったら嬉しいです。
今後、NOCCでは他の書籍もご紹介していくので、引き続きご参考いただければと思います。
まとめや要約を知りたい書籍がございましたら、ぜひお気軽にコメントください。
書籍情報
書籍名 | 一流の育て方 |
著者 | ムーギー・キム /ミセス・パンプキン 共著
ムーギー・キム ミセス・パンプキン |
発行所 | ダイヤモンド社 |
発行日 | 2016年02月 |
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