自立した子どもに育てるには?(パターン2)

これまで、アドラーモンテッソーリなどの子育て方法をご紹介してきましたが、
今回ご紹介する書籍は、子育てにコーチングの理論を取り入れたものです。
この本の筆者は、教育大学の名誉教授で、発達心理学や神経心理学を専門としています。
アドラーやモンテッソーリ、脳科学などさまざまな観点から
多くの書籍を著しているようです。

では、子育てにコーチングの理論を取り入れた
ファミリーコーチングとはどのようなものなのでしょうか。

以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。

 

書籍名:子どもの「社会脳」を育てよう
著者:永江誠司

今の子どもたちは、人とのかかわりが希薄になって
相互に信頼し合う関係を持つことが難しくなっている。
仲間と信頼関係をもてる子どもは、

「精神的に健康で自尊感情も高く、また社会適応力、協調性も高いこと、
さらに犯罪や非行などの問題行動を起こすことも少ないこと」
が多くの研究によって示されている。

ファミリーコーチングの定義
「子どもがもっている可能性を信じ、その子の個性やよいところを認め
また子ども自身が自分の役割や目標を達成しようと意欲的に取り組む気持ちを大切にして、
自立型の人間に育てていくコミュニケーションスキル」

親は、「答えは常に子どもの中にある」ことを肝に銘じておく必要がある。


親子の中で整っているべき状態

・親子間で自由に発言できる状況がある
・親子間相互に協力する雰囲気がある
・親が子どもに信頼されている
・子どもは意欲的に目標をもって生活している


夫婦間で整っているべき状態

・夫婦間で信頼関係がある
・夫婦間でスキンシップがある
・夫婦が共同で子育てをしている


ファミリーコーチングの4つのスキル

①傾聴するスキル
子どもの話を聴くことに集中し、途中で口を挟むことなくまず最後まで聴く
その際、子どものことばの繰り返し、あいずち、うなずきなどを送り、
話を聴いていることを子どもに示す
傾聴の中に沈黙の時間をもつことにより、
子どもに自分の心を向かい合わせる機会を与える。

右脳が感情の認知や表情にかかわっていることから
顔の左半分に表情(感情)が強く表れる。
つまり、親は子どもの右側に座ればよい。
親の優しく温かな表情が子どもの心を和ませ
コミュニケーションがとりやすくなる

②質問するスキル
「はい」か「いいえ」だけで答えられる質問ではなく
つ」「どこ」「だれ」「なに」「どのように」を使って質問する
「勉強しなさい」ではなく、「これからの予定を聞かせて」。
「なぜ」を子どもに責任を求めることになり、子どもは萎縮しはじめる。
「何でそんなことをしたの?」ではなく「どんなふうにしたらよかったんだろう?」。

その場に応じた質問をするのがよい。
三日前のことなど、その時とはかけ離れたことを質問するべきではない。
よい質問をすることにより、子供の発想を豊かにし、行動を積極的なものにする

③要望するスキル
子どもに「こうしてほしい」、「そうしてほしくない」と
率直に、端的に、具体的に伝えることが必要である。
それは、親の意向を子どもに伝えるものであり、親の本心を子どもに見せることである。

子どもは、親の要望に応えたいという社会的欲求を基本的にもっている。
要望のスキルは、その欲求が高まる児童期から青年期でより有効に働く。
要望という親の提案を受けることで、
子どもは自分でも気づいていなかった能力や可能性を見出す機会を得ることができる。

④承認するスキル
承認とは、子どものよいところを見て、心にとめること。
子どものことをよく観察し、結果ではなくプロセスを褒める
「成績がよかったね」ではなく「教科書を何回も読んで、よくノートにまとめられてたね」

ふだんから、子どもが時間をかけて取り組んでいたり、
繰り返し口に出していることや自慢していることなどは、
子どもが認めてほしいところであることが多い。

ときに効果的に叱る。
叱るときは、子どもを成長させたい、
大切にしたいという確固たる気持ちがあることを前提とし
怒りの感情に任せて怒らないようにする。

子どもの承認の欲求が高まるのは幼児期、および児童期から青年期。
その時期に承認のスキルで子どもをほめることによって
快感情を経験させ、やる気を引き起こし、子供の自己改革を促す
ことができる。

 

以上が、『子どもの「社会脳」を育てよう』をまとめてみたものです。

いかがでしたか。
アドラーでもモンテッソーリでも
子どもが自立することと信頼感を持てることは共通しているようですね。
また、基本的に子どもは教えなくても自分でできるようになる
ということを前提に子育てしていくという考え方も同じでした。

たしかに、親が教えなくても、自然とできるようになっていたり
お友達とのコミュニケーションの中で自分で学んで
できるようになることも多いですね。
時には「どこでそんな言葉覚えてきたの!?」
と思わされることも少なくないのではないでしょうか。

今回の書籍は、コーチングの技術を取り入れていました。
「はじめに」の中でも出てきていましたが
ファミリーコーチングを、人を育てるコーチングとして
保育士・教師や上司が園児・児童・生徒や部下にも応用できるようです。

私も以前、コーチングについて勉強したことがあります。
生徒や後輩、部下に対して
質問の仕方や話を聞くとき、叱るときなどに
上にまとめたようなことを意識しながらやっていました。

もちろん、例えば質問するときに
「はい」「いいえ」だけで答えられるような質問や
「なぜ」とあえて責めるような言い方をするときもあります。
その時の状況や相手の状態、反応などを考え、想像してから言葉を選択しているつもりです。
今まで相手に伝えてきたこと全てが正しかったとは思っていません。
ですが、いろんな選択肢を知っている上で
今いる相手にとって、どの言葉で伝えるのが良いかをしっかり考えてから伝えることが
とても重要だと思っています。

他にも、脳に関する専門的な内容をわかりやすく説明してくれていたり
今までの日本の子育ての歴史やコーチングの由来、
4つのスキルのより詳しい内容など
子育てはもちろん、子育て以外の場面でも役立ちそうな内容がたくさん書かれています。
ぜひ、一冊手にとってみてはいかがでしょうか 😉

今回はファミリーコーチングについてご紹介しましたが
子育て方法に関しては科学的根拠に基づいたものではありません
ですが、子育ての考え方として子育ての参考になればと思います。

今後、NOCCではほかの子育て方法などもご紹介していくので、
いろんな角度からご参考いただければと思います。

それぞれのママたちにあった、お悩み解決策やそのヒントが少しでも見つかりますように♥

↓書籍情報

書籍名 子どもの「社会脳」を育てよう
ー共感し、信頼する力を伸ばす!子育てコーチングー
著者 永江 誠司(ながえ せいじ)
福岡教育大学名誉教授、文学博士(広島大学)、
トロント大学エリンデール校神経心理学教室・ボストン大学医学部失語症研究所客員研究
(1997~1998)。
専門は、発達心理学、神経心理学。
著書に『子どもの脳を育てる教育ー課程と学校の脳科学』(河出書房新社)、

『世界一の子ども教育モンテッソーリー12歳までに脳を賢く優しく育てる方法』、
『社会脳SQの作り方ーIQでもEQでもない成功する人の秘密』、
『アドラー珠玉の教えー自分の人生を最高に生きる77のヒント』(以上、講談社)、
『教育と脳ー多重知能を活かす教育心理学』(北大路書房)、
『発達と脳ー神経発達心理学入門』、「認知と脳ーラテラリティの心理学』(以上、おうふう)
『男と女のモラトリアムー若者の自立とゆらぎの心理学』(ブレーン出版)、
『近くと行動の体制化における言語の機能に関する研究』(風間書房)などがある。
2017年逝去。
発行所 株式会社河出書房新社
発行日 2018年5月20日初版印刷