皆さんはお子さんに読みきかせをさせる習慣はありますか?また、お子さんは本が好きですか?
以前は絵本カフェをご紹介しましたが、今回は読みきかせの効果や方法についてご紹介してみたいと思います。
初版以来全米で100万部を超えるベストセラー『THE READ-ALOUD HANDBOOK』著者 Jim Trelease(2013年第7版発行)を、鈴木徹さんが日本語に訳したものです。
読みきかせにはどんな効果があるのでしょうか?
以下は、この本を読んで個人的に要約したものです。
できる子に育つ 魔法の読みきかせ
読解力はほぼ全ての教科の基礎であり、読解力を養成するために最も重要なのは「子どもへの読みきかせ」。
読みきかせは、全ての学年で継続すべきもの。読めば読むほど理解できる。理解できれば楽しくなる。楽しくなればもっと読む。
本を読めば、それだけ知識が増える。知識が増えれば賢くなる。賢くなれば進学することができる。進学できれば学歴も高くなる。学歴が高ければ、子どもの成績もよくなる。
読みきかせの効果
・語彙が増える
・「本は楽しい」という回路が脳の中で形成される
・本を読みたいという気持ちが芽生える
・背景知識が豊かになり、学力向上にしっかりとつながる
(背景知識:本を読んで「仮想体験」をすることで得た知識)
読みきかせの効果的な方法
・読みきかせだけでなく、できる限り子どもと対話をすること
・本を読みながら何か聞いてみたり、自分自身が感じたことを伝えたりすること
・親子で一緒に本を楽しむこと
・子どもにいろんなことを発見させること
いつからやる?どうやってやる?
読みきかせを始める年齢が早ければ早いほど、良い結果が出る。2歳まではたくさんの本を読むよりも、限られた数冊を読んだ方が良い。繰り返し読むことは子どもにとっては大切な学びの機会。
本の読みきかせを実際の経験と結びつけることも大切。例えば、外であおむしを見かけたら家に帰ってはらぺこあおむしを読んであげる。読み聞かせで蒔いた種が実を結ぶまでには時間がかかる。しかし、辛抱強く待っていれば必ずいいことがある。
子どもが自分で本を読めるようになっても、読みきかせはつづけた方がいい。4年生のレベルの本をひとりで読めるとしたらそれはそれで素晴らしいが、読みきかせであればもっとレベルが高いものも楽しめる。読んで理解できないことも耳から聞けば理解できる。
読みきかせが嫌いな子どもなら
・最初は10分から15分から始める
・子どもが「もっと読みたい」と言うまで待つのが理想的
・できることなら、家族全員で「読書時間」を決める
・親自身が本を読んでいる姿を子どもに見せる
・小さい子どもは、絵本をめくって絵を見ているだけでも「読書」になる
・子どもに本を選ばせる
・最初は短時間。成長に合わせて少しずつ長く
・新聞や雑誌でもいい
まとめ
以上が『できる子に育つ 魔法の読みきかせ』をまとめてみたものです。
本を読めば知識が増えるというところと、読んで理解できないことも耳から聞けば理解できるというところは、特に共感しました!
自分で体験できなくても、本の中で体験をすることはできますよね。そこで「へぇーー ! 」と思えば興味を持つし、本を読む機会も増えていくでしょう。そして知識が増える!!
以前塾で働いていた時に、子どもがよく勉強の質問をしに来ていたのですが、ゆっくり質問を読んで確認してあげるだけで「あ!分かった!」と言って自分で解けることがあるんです。「問題読んでないやん(笑)」と突っ込みを入れて終わるのですが、これは割と困った出来事でした。
問題を解く力があっても、問題文で何を問われているかがわからなければ解けないですよね。
個人的な解釈ですが、このことは、上に出てきた読みきかせであれば自分で読むよりレベルが高いものを読めるということにつながるのかもしれません。
文章をかみ砕きながら読んでもらうことで理解が深まり、興味もわくということでしょうか。
それが正しいのであれば、読書が嫌いな子どもでも読みきかせなら興味を持ってくれるかもしれませんね!
例えば、子どもが読書を嫌いになる理由は何でしょうか?
私自身が出会った子どもたちの意見では「めんどくさい」「難しい」「おもしろくない」が割と多かったように思いますが
「めんどくさい」→「読んであげるよ」
「難しい」→「説明してあげるよ」
「おもしろくない」→「おもしろおかしく読んであげるよ」
うん。もう本好きになるしかない(^^)
と、さすがにこれは極端でしたが、先に述べたように読みきかせがきっかけで、読書が嫌いな子どもが好きになる可能性はあるのかもとは思いました。
もちろん、読書をすることで読解力があがるという根拠はないし成績が伸びるという根拠もありません。しかし子どもに本を好きになってほしいママやパパは試してみる価値があるかもしれませんね!
他にも、大学生まで読みきかせをしてもらっていた女の子の話や、どの時期にどの本を読んだらいいかなど、読みきかせをしてみたくなる内容がたくさん書かれています!ぜひ一度手にとってみてください。
また、個人的にはあまりイメージがなかったのですが、今回の書籍では、中高生にも読みきかせが勧められていました。そこで調べてみると、中学生用の読みきかせの本が、図書館で紹介されているようです。(参考:大阪市立図書館)
おそらくここだけでなく、皆さんのお住まいの地域の図書館にもあると思います。お近くの図書館、調べてみてはいかがでしょうか 😉
今回は読み聞かせの効果をご紹介しましたが、これは科学的根拠に基づいたものではありません。ですが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。
今後、NOCCではほかの書籍などもご紹介していくので、
いろんな角度からご参考いただければと思います。
それぞれのママたちにあった、悩み解決策やそのヒントが少しでも見つかりますように♥
なお、この記事は2018年7月6日に公開されたものです。子どもと過ごす時間が特に長くなった今月、ぜひ家族とのコミュニケーションのきっかけにしてみてください(^^)
書籍情報
書籍名 | できる子に育つ 魔法の読みきかせ |
著者 | ジム・トレリース マサチューセッツ大学卒業後、デイリーニューズ紙の アーティスト兼ライターとして活躍、ワシントンポスト紙、 ニューヨークタイムズ紙などの書評欄でも執筆している。 本書刊行後は全米各地からの要望で 講演の旅を続けるかたわら、 その合間を縫って地元の小学校を定期的に訪れ、 記者の仕事について語り、 本の楽しさを子どもたちと分かちあっている。 |
訳者 | 鈴木 徹(すずき とおる) 昭和43年愛知県生まれ。 東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。 平成29年現在、都立国分寺高等学校英語科教諭、 東京都江東学校英語教育研究会研究部長。 趣味・音楽鑑賞(ブルース、R&B、ロック、ジャズ)、 ギター、スポーツ観戦(プロ野球、海外サッカー)。 |
発行所 | 株式会社筑摩書房 |