「優しい子に育ってほしい」「お友達がたくさんいる子に育ってほしい」等。将来お子さんになってほしい希望はつきないですよね。思い通りにならないとついイライラ。「なんで言うこと聞かないの?」と叱ったり、時には後悔したり。
今回は子育てを頑張るママたちが、イライラしなくてよくなりそうな一冊をご紹介します。
アドラー式「しない」子育て
「親の考え方をほんの少しだけ変えることによって、子どもとのつきあい方が変わっていけば、子育てはとてもラクになるのではないかと思います。」(引用:「おわりに」より)
アドラー式子育てのテーマは、“子どもを変えるのではなく、「親が変わる」” で、目標は子どもの「自立」と「調和」を育むことです。
自立とは、ひとりで生きる力。自分の考えを持って、自分で判断をして行動できること。調和とは、他人と仲良く、協力し合えること。
これらを子どもたちが育むためには6つの子育てにおける「しない」があります。
①ほめない、②他人と比べない
ほめない、というのは厳密にはほめ方で、過程や個性に注目して認めてあげるということです。
子ども自身にも、それぞれの理想像、「ライフスタイル」があります。だから子どもの行動もそれぞれ個性があるので、兄弟姉妹でも違いがあります。他の子と比べたりせず、それぞれのできているところを見つけ、子ども自身のライフスタイルに合わせて言葉をかけると、子育てがよりスムーズになります。
ライフスタイルの種類
A【安楽タイプ】 | 安楽・安全でいたい。マイペース。 ペースを尊重した促しの言葉をかける。 「もうすぐ時間だよ、時計を見てね」 「待ってるから、歯磨きしちゃおうか」 |
B【人気者タイプ】 | 人に好かれたい、「すてき」と言われたい。サービス精神旺盛。 サービス精神をくすぐる言葉をかける。 「お風呂でピカピカになると、みんなに好かれちゃうね」 「一緒にお片づけしよっか」 |
C【リーダータイプ】 | 主導権を握ってリーダーになりたい。頼れる存在。 いつでも一番でいたいという闘志をかきたてる励ましの言葉をかける。 「静かにできたらすごいね」「ここのお片づけ〇〇に任せたよ」 |
D【優秀タイプ】 | 優秀でありたい。努力家。 自分を高める後押しをする言葉をかける。 「挨拶って大事だよね」「もうこんなにできてるじゃない、すごいね」 |
③怒らない、④無視・放任しない、⑤介入・干渉しない、⑥手助けしない
まず、怒る理由は、親が「こういうふうに育ってほしいから」と願い、コントロールしようとしているからです。
例えば子どもがお店で何かを買ってと地団駄を踏むようなときは「今日は買えません。ずっと暴れていますか、それとも泣き止んで一緒に帰ってごはんを食べますか」と選択肢を与える。
ここでのポイントは「優しく」「きっぱりと」。プラス根比べ。無視したり放任したりせず、覚悟をきめ、疲れるまで暴れさせる。そして子どもが疲れて帰る、を経験すると学んでくれます。人前だと周りに気を使うかもしれませんが、駄々をこねても平気なくらい広いお店で練習。
それでも「どうしても」と納得できないなら、家族会議の出番。普段から家族で集まって話し合う機会を作っておいて、できるなら子どもも自分で目標を決める。そして「次の会議で話し合ってみよう。メモしておくから。」とその場をおさめて、きちんと議題に出してあげる。
もし、子ども同士でけんかをしているのを見た時は、止めずにさせる。ただし、手が出そうなときには二人の間に体をいれる。子どもたちはけんかや争いを通して自分たちの関係性や距離感を探っています。介入・干渉せず、見守りましょう。
そして、赤ちゃん返り。以前までできていたあいさつや着替えができなくなっても手助けはしません。本当は、親がしてほしいと思っていることを子どもはわかっています。だから、事前に「挨拶できるかなー」とか「服着られるかなー」というと余計なプレッシャーがかかってしまいます。手助けはせず、信じて待ってみましょう。自発的にできることがあれば、しっかり喜んであげるようにしましょう。
まとめ
以上が『アドラー式「しない」子育て』をまとめてみたものです。
この本を読んで、イライラしないためには自分が怒っている理由を考え、子どもへの考え方・伝え方を変えるのがいいのだと感じました。
思い通りにならず、イライラしてしまった時、「子どもをうまくコントロールできないから怒っているのだ」「でもそれは私の願望だ」など感情の原因や目的を考えてみるだけでも、少し冷静になれそうです!
そして子どもの自立心、成長する力を信じて、「優しくしなさい」「仲良くしなさい」ではなく「優しくしてほしい」と伝えたり、「仲良くしてくれませんか?」とお願いをしたりすることは問題ないようです。
お願いした時に「いや」と言われたらそのときは「そっか」で終わるのがいいとは書かれていましたが、時期を見て再度お願いするのはいいのではないかと思いました。
この本は、具体的なママのお悩みを、対話形式で紹介してくれているので、具体的な解決方法がイメージしやすいと思います。また、お子さんのライフスタイル診断や、より詳しい声かけも載っているので、ぜひ手にとってみてください!
今回はアドラー式の子育て法をご紹介しましたが、これは科学的根拠に基づいたものではありません。
ですが、一つの考え方として子育ての参考になればと思います。
なお、この記事は2018年6月6日に公開されたものです。子どもと過ごす時間が長くて、ついイライラしてしまっていませんか?ぜひ参考にしてみてくださいね!
今後、NOCCでは他の子育て方法などもご紹介していくので、
いろんな角度からご参考いただければと思います。
それぞれのママたちに合った、お悩み解決策やそのヒントが少しでも見つかりますように❤️
書籍情報
書籍名 | アドラー式「しない」子育て |
著者 | 向後千春(こうご ちはる) 早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学、東京学芸大学)。 日本タイムシェア株式会社、富士大学教育学部講師・助教授、 早稲田大学人間科学学術院助教授を経て、2012年4月より現職。 専門は教育工学、教育心理学、アドラー心理学。 著書に『アドラー“実践”講義』(技術評論社)、 『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版)ほか多数。 近著に『幸せな劣等感~アドラー心理学〈実践編〉~』(小学館新書) |
著者 | 吉田尚記(よしだ ひさのり) ニッポン放送アナウンサー。 ニッポン放送「ミュ~コミ+プラス」のパーソナリティとして 第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞を受賞。 マンガ大賞発起人にしてマンガ大賞実行委員。 イベントの司会など活躍は多岐に渡り、 年間1000人の人と会うコミュニケーションのプロ。 アドラー心理学にも造詣が深い。 著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)は 13万部突破のベストセラー。 |
発行所 | 株式会社 白泉社 |
発行日 | 2017年7月11日 |
形式 | 座談会形式でママが直面している育児の悩みを具体的に解決 |